雪山登山をはじめる方は必見。冬の西穂高独標から学んだ冬靴の大切さ。

アルプスの山
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12月上旬に西穂高独標を目指し登山を行いました。そこでの経験をお伝えする記事です。

西穂高独標は雪山登山の中では初心者コースとされています。しかし、不安でした。

なぜなら、雪山登山二回目、かつ冬の穂高2400m以上の山を登るのは初めだったからです。

漫画の「岳」をご存じでしょうか?実写映画版だと小栗旬さんと長澤まさみさんが主演として出ています。

穂高連峰をメインに夏山、冬山の登山について書かれています。そこでは、雪山での遭難、滑落、低体温症など山の厳しさが画かれていました。

それを知っていたので、行ってみたいという好奇心と大丈夫かな?という不安を抱えていました。

しかし、何事も体験!!勇気ある撤退もあり!!と思い、できる限り調べて対策を立てて挑戦する事にしました。

これから、私が事前準備で行った事と登山中の景色、登山を終えて事前準備はどうだったのかをお伝えします。

皆様の雪山登山の一助になれれば幸いです。

では、参りましょう!!

【注意】

登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。

西穂高山頂まで行けるのか

西穂高駅展望台からの景色です。いくつものピークを乗り越えて西穂高山頂へいきます。

初心者の方は西穂高山頂まで行くのは難しいです。辞めた方が良いです。夏山でも行けるかどうかの場所です。

西穂高山頂までは11ピークを経て到達します。その間は岩場の連続で、切り立った場所や逆走スラブなどもあります。

これが雪に覆われています。雪庇もあるでしょう。初心者が迂闊に進めば滑落確率100%です。

私の技術では雪山の西穂高山頂へのアタックは危険と判断しました。

さらに調べて行くと、西穂高山頂までの間に丸山と独標があります。ここまでは初心者でも達成できそそうでした。

確かに、西穂高独標の直前から独標山頂までは岩場の急登があります。しかし、それ以外は岩場も少なくピッケルとアイゼンがあれば登れます。

また、宿泊ではなく日帰り登山です。時間制限もあります。

そこで、目標を西穂高独標にしました。

3シーズンの靴で行けるのか

スカルパの3シーズン用の靴です。一応、バコというワンタッチアイゼンを取り付ける部分はあるんです。さて、雪山ではどうかな?

冬靴は高いです。びっくりするぐらい高いです。例えば、スカルパの冬靴は7~8万します。

厳冬期と言われる1~2月に2500m以上の山に何回登れるのか、月に1回登れたら良い方です。

そして、厳冬期であっても2500m以下の山ならば冬靴ではなく3シーズン用靴でも問題ないです。

なので、冬靴を買う事に踏み切れませんでした。

私が持っている靴は3シーズン用です。まだまだ現役であり損傷も少ないです。雨の日に登山をしても中は濡れません。

この相棒と共に西穂高独標に登る事にしました。

汗冷えしないベースレイヤーはないのか

私は夏山はもちろん、冬山でも汗をかきます。

汗をかくということは筋肉を動かしてエネルギーを産生し熱を発生させ、その熱を冷まそうとしているからです。

この汗が本当にやっかいです。平地ならば汗をかいて風にふかれるのは気持ちが良いでしょう。

しかし、山とくに雪山ではそれが命取りになります。汗が冷えることで低体温症になるからです。

今までは化学繊維のベースレイヤーを使用していました。化学繊維は速乾性があると言われていますが、汗が乾かなかったです。

歩く速度、水分量、気温、休憩時間なども影響しているとも思いますが、服も検討しました。

そこで調べた中で最も効果がありそうなのがミレーのワッフルウールでした。

ミレーのワッフルウールは化学繊維とウールが入っています。

ウールは保温と汗のべっとり感を緩和する機能があります。化学繊維も入っているので速乾性も期待できます。

そして、さわり心地が抜群によかったのも購入の決め手の一つです。ふわふわしてさらっとしていてずっと触っていたくなる感じです。

長い時間来ているなら着心地の良い服が良いですね。

ミレーのワッフルウールに期待を込めて雪山の相棒としました。

天気はどうか、風はどうなのか

雪山の不安要素に低体温症があります。そのためには、天気が晴れで風がない日が絶対です。特に初心者ならばなおさらです。

当初の予定は14日に行く予定でした。やめました。その理由は

①岐阜県・長野県周囲は低気圧だったから(低気圧は天候が荒れるため)

②等圧線の間隔が狭い(等圧線が混み合っている所は風が強いため)

他に前線があるかを調べましたが、特になかったです。しかし、天気が荒れる事は明らかでした。

*この日は本当に天気が荒れて、雪も降りました。

予備日の9日の天気図を確認しました。以下の事を確認しました。

①西高東低の冬型気圧配置ではないか

②寒気は到来していないか

③等圧線が縦縞模様になっていないか

④等圧線は混み合っていないか

実際、好天気な日でした。高気圧で等圧線も穏やか。まさに登山日和でした。

雪山西穂高デビューはこの好天気日でよかったです。

撤退基準はどうするか

撤退基準を事前に決めておきました。本当に危なくなった時は判断能力も低下していると思ったからです。

その時に、判断すればいいやと思わずに、初心者だからこそちゃんと準備はしておこうと思いました。

撤退基準は

①13時になったらどこにいても下山を開始する(ロープウェイの下り最終便に間に合うため)

②風が強く立って入れなくなった

③雪が降ってきた(視界が悪くなるため)

④靴が濡れた、身体が冷えた(低体温症、凍傷のリスクがあるため)

④不安を感じたら(不安を感じると身体が縮こまり良いパフォーマンスが発揮出来ないため)

です。これに当てはまる場合は勇気ある撤退として下山することにしました。

登山後の温泉はどこがいいのか

登山後のご褒美の一つ、温泉です。

夏でも冬でも登山後の温泉は格別です。特に雪山登山後は絶対寒さに震えていると思いました。

コロナの影響もあり、温泉屋さんがやっていない事もあります(体験談より)

そこで、温泉を事前に調べました。近くには

①中崎山荘 奥飛騨の湯(ロープウェイから徒歩3分、口コミ4.2)

②ひがくの湯

がありました。下山後の時間や気分によって決めようと思います。

露天風呂 | 奥飛騨温泉郷観光協会

東京から西穂高独標を目指す

東京を朝の4時にでました。高速道路は渋滞もなく、スイスイ行けました。

松本ICから降りて、中部縦貫自動車道に乗り、平湯ICで降ります。平湯ICを降りると遠くの方に雪化粧された穂高や槍ヶ岳がみえました。

平湯ICから降りてすぐの道路です。遠くの方に西穂高が見えます。

そして、晴天です。風もなく穏やかな朝です。もう嬉しくなります。テンションが高まりました。

道路はしっかり雪かきされていました。ただ、道路は凍結していたのでスタットレスが良いです。

道中も楽しみながら結果、4時間で新穂高ロープウェイに到着できました。

新穂高センターです。ここにはトイレや自動販売機があります。左へ行けば笠ヶ岳、右へ行けば新穂高ロープウェイです。

新穂高ロープウェイは朝の9時から運転開始します。少し仮眠をとり準備を始めました。ロープウェイの目的地は西穂高駅です。

第1ロープウェイと第2ロープウェイを乗り継いで行きます。乗り継ぎ時間は15分間ありますので、第2ロープウェイ周囲を散歩することができます。

第2ロープウェイに乗ると後ろには笠ヶ岳、双六岳、槍ヶ岳、そして今回の本丸の西穂高が見えました。

第2ロープウェイから見える景色。目の前には西穂高が見えます。後ろには笠ヶ岳が見えました。めっちゃ綺麗!!

西穂高駅の展望台は素晴らしく、こんな風景が見えました。ここの気温はマイナス6度でした。雲はありますが、風もなく快晴です。

ここの西穂高駅の展望台に来るだけでも価値があると思います。

展望台の景色です。綺麗ですね。ここの景色だけでも楽しかったです。

西穂高駅からでるとそこは銀世界でした。積雪は10cmほどでした。ここでアイゼンを装着しました。歩荷さんや雪山に慣れている方々はアイゼンをつけなくても歩けるでしょう。

慣れていない人にはアイゼンをお勧めします。雪に足を取られて余計な体力を使うからです。

アイゼンに頼りましょう。

登山開始30分ほどで身体が熱くなりました。この時はハードウェア、フリース、ミレーのワッフルウールでした。まずはハードウェアを脱ぎました。

この時点では汗はかいておらず保温もされていました。その10分後坂道も増えてきたため筋肉をよく使ったのでしょう。更に身体が熱くなりました。

フリースも脱ぐことにしました。そこから西穂山荘までワッフルウールのみで歩きました。汗冷えもせずとても快適でした。

とてもいいベースレイヤーです。

急坂を登っている最中です。熱くてベースレイヤーだけになりました。寒くなく快適です。汗もすぐ乾きべたつきもなく良い感じ。

問題は足先です。雪で靴が濡れているわけでもないのに、歩き始めて1時間ほど足先がかじかんでいます。

これはしんどかったです。

靴を替える事はできません。ここで出来る事はただ一つ。

ふくらはぎを動かす事です。

足先が冷たい理由の一つに、ふくらはぎの動きがなく血流が停留して熱を運べないからです。

なので、つま先立ちをしてふくらはぎを動かしました。30回ほど行うと血流を促されたことで指先は暖かくなりました。

また、急登ではふくらはぎを多く使いました。更に足先が温かくなりました。

しかし、これから2500m付近まで行きます。

身体の冷えは撤退基準に当てはまります。そして、この時点で11時半です。

コースタイム通りですが、10時スタートが遅かったのでしょう。

撤退基準の13時が迫っています。先を急ぎます。

西穂山荘から出たらすぐ岩場です。少し急登ですが、アイゼンを履いていれば問題ありません。

こんな岩場を登ります。アイゼンがあれば滑ることもなく登れます。

10分ほど登れば稜線です。びっくりしました!!左に笠ヶ岳、右には前穂高、後ろには焼岳、目の前には西穂高独標と西穂高山頂です。

どこを向いても大パノラマ!!大興奮です!!しかも、晴天&青空&雪山。とても綺麗です。

景色が素晴らしすぎて全く進みません。ずっと眺めていられます。

稜線にでるとこんな美しい景色を観ることができました。これでここまで登ってきて良かったなと思います。

さらに進めると丸山に到達できます。ここでも素晴らしい景色が見えました。

丸山から少し進むと時刻は12時30分です。撤退時刻まで30分。ここから独標までは約1時間かかります。初心者だからもっとかかるでしょう。

残念ながら、独標への登頂は諦めました。

その分、この景色の良い雪山を思う存分楽しみました。記念撮影大会です。そして、次リベンジする楽しみができました。

焼岳と西穂高丸山。人がいるところが西穂高丸山です。ずっと観ていられる景色

事前準備として、靴に問題あり

事前準備の評価です。

天気は大当たりでした。稜線でも風は無風でした。

身体が冷えていました。早く温泉に入りたかったです。事前に調べていた新穂高ロープウェイのすぐ近くの奥飛騨の湯に入りました。

撤退基準も事前に決めていた事で安全に下山することができました。

今回の山行で分かった事もありました。

日帰りでは時間的にタイトでした。山荘に宿泊した方がゆとりをもって登山をする事がわかりました。次回は宿泊をします。

私の3シーズン用登山靴では西穂高登山は難しいとわかりました。(うすうす気付いてはいましたが・・・)

なぜならば、下山でも足先問題が起きました。

稜線は日も当り雪に埋もれている時間も短かったからか冷たくなかったです。しかし、高度を下げ日陰を歩く内にまた足先がかじかんできました。

しかし、一緒に登った相方は新品の3シーズン靴で足はかじかまずに快適だったそうです。

足がかじかむのは身体的な問題なのか、冬靴の様に保温材が入っていないからか、やや古い靴だからかわかりません。

ただ、自分の登山靴では対応できない事はわかりました。

雪山登山という楽しさに集中したい。少しの煩わしさも取り除きたい。雪山の魅力や刺激に集中したい。

そのためには、難点である寒さを取り除くには冬靴へ履き替えなければなりません。

しかし、使用頻度が少なく、かつ高価な冬靴がどれほど素晴らしいモノなのか試してみないと購入へ踏み切れません。そこで、冬靴をレンタル使用が最適解です。

おすすめは「やまどうぐレンタル屋さん」です。

なぜならば、豊富な品揃えと丁寧な対応。

そして、雪山登山用のセットもレンタルできるからです。

さらに、やまどうぐレンタル屋のツアーを申し込むと登山グッツを無料レンタルする事ができるという初心者に嬉しいサービス付き。

初心者の方はそろえるモノが多いです。その分お金もかかります。しかし、高価が故に費用対効果があるのかを試してから買いたいです。

ただ、足に靴が合うか心配ですよね。その場合は、店頭で試し履きをしてからレンタルをしましょう。そうすれば、靴連れの心配などはありません。

足に合って、冬靴の快適性がわかればお店で購入しましょう。

さあ、楽しさに全集中!!冬靴をレンタルして辛い、寒い、雪山登山とおさらばしましょう!!

登山グッツは機能面も備えつつおしゃれなモノも多くあります。自分のお気に入りで登る山は最高です。

お気に入りを見つけるのも登山の楽しみの一つです。下記から素敵な登山の相棒が見つかりますように。

まとめ

・天気図を事前に確認し登山日を決める事で安全な登山ができる

・ベースレイヤーは化学繊維とウールが入っていると汗冷えせずよい

・靴は冬靴がいい。ただ、最初はレンタルがベター

・温泉は近場がいい。寒くて耐えられないから。

・時間にゆとりを持って登るために、日帰りではなく山荘宿泊にするとよい

しっかりと準備して暖かく楽しく雪山登山をしましょう。

▼西穂高独標リベンジはこちらをご覧下さい▼

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