絶景が広がる八ヶ岳。
その中でも登りやすくおすすめの山はないかと言われたら編笠山をあげたいと思います。
編笠山は八ヶ岳最南端に位置する山です。
編み笠を被ったような平たい山容から編笠山と名付けられたそうです。
標高差約1000mありますが、登りやすい道なので登山を始めたばかりの人でも気持ち良く歩く事ができます。
また、南八ヶ岳特有の荒々しい登山道や岩場もあるので、飽きる事無く登山を楽しめます。
荒々しいと言っても赤岳や阿弥陀岳のような鎖場はないのでご安心ください。
編笠山の山頂は蓼科山の山頂付近と似ています。
恐らく、どちらも火山活動後による露出した岩石にて構成された山頂だからだと思います。
大きな岩がゴロゴロ広がり、樹木は少なく開放的な山頂です。
編笠山には、観音平から登るルートと富士見高原から登るルートの2つのルートがあります。
観音平から登るルートは危険箇所も少なく、難易度が低いです。
富士見高原からのルートは鎖場などもあり、標高差も1300mを越えるため観音平よりも難易度があがります。
観音平までの道は冬季通行止めとなり夏季限定の道になります。(道路から歩けば冬でも行けますが・・・)
なので、道路が閉鎖する前に観音平から編笠山へ登ります。
登山道の様子を詳しく説明しますので、登山計画の参考にしてください。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
イメージ動画
冬期閉鎖する前に観音平駐車場から登った動画です。
観音平登山口から編笠山への登山道の様子や景色の美しさを知ることができます。
ルート概要
今回は観音平から網笠山へ登ります。
観音平駐車場に行くには、八ヶ岳高原ラインから観音平下久保線へ入ります。
冬季は観音平下久保線が冬季通行止めになってしまいます。
編笠山は八ヶ岳の最南端に位置する標高2524mの山です。
観音平駐車場標高は1566mです。
標高差約1000m、累積標高も約1000mなのでアップダウンも少なく歩きやすいです。
急登は所々ありますが、一歩間違えたら崖にまっさかさまな道や3点保持をしないといけないような岩稜帯など大変な道や危険箇所はありません。
なので、初心者の日帰りにも最適な山です。
山頂からピストンで下山するのもよし、青年小屋を経由して下山するのもよし。
ピストンの往復約5時間、青年小屋経由は約6時間で登れます。
編笠山だけでも十分楽しいのですが、健脚者は足を伸ばして権現岳へ行くのもよしです。
色々な登山を楽しめる編笠山です。
下山後は冷えた身体、疲れた身体を癒やしましょう。
編笠山の近くには延命の湯という温泉があります。
休憩所も広く温泉に入った後もゆっくりくつろげます。
近くには道の駅こぶちさわがあるので、地産物も購入できます。
高速も近く、帰宅途中によりやすいです。
では、これから編笠山への登山道を詳しくお伝えします。
ルート詳細
これからはルートの詳細を紹介します。
基本的には登りやすい山です。
ですが、急登有り梯子有り、落とし穴ありの道です。
その辺りを詳しく説明していきます。
登山口から押手川まで
観音平駐車場は第一駐車場と第二駐車場があります。
どちらから登っても登山時間にさほど影響しません。
トイレが近いのは第一駐車場です。
観音平登山口から本道までにいくつかの分岐があります。
暗いと道や方角もわかりづらくなるので、分岐をまがった方が良いかと悩みます。
しかし、曲がってしまうと駐車場へ逆戻りになってしまうので、とにかく道を上へ登って行きましょう。
さて、本道に到着すると歩くべき道はここしかないと思うほどの道が続いています。
編笠山への道には雲海や押手川までは緩やかな道が続きます。
朝日や紅葉を楽しみながら余裕があるほど緩やかな道です。
運動量もほんのり汗をかく程度です。
最初のチェックポイントは「雲海」です。
雲海と富士山を観る事ができる場所ですが、今回はその利点はわかりませんでした。
ただ、朝日が昇りススキがキラキラと照らされる綺麗な瞬間には立ち会えました。
景色を楽しんだので先に進みます。
先に進むと広くのっぺりした場所にでました。
道標も踏み跡もあるので、道に迷う事はないです。ただ、雪が積もったら道がわからなくなると思います。
緩やかな登山道をのんびり歩き約1時間、押手川に到着しました。
押手川は広く休憩場所に最適です。
これから来る急登に備えて英気を養いましょう。
この写真からわかるように押手川は広場です。
青年小屋に続く道もあり、山頂への道がわかりにくいです。
しかし、所々に道標があるので、それに従い進みましょう。
押手川から山頂まで
押手川までは緩やかな道でした。
しかし、押手川からは違います。
特に山頂直下までが特に急でした。
地図でも観てみましょう。
等高線がぐっと狭まっているのがわかります。
等高線が狭く急登かつ大きな岩がゴロゴロあり、歩きにくいです。
斜度が強くても、歩幅を短くして歩ける道はさほど疲れません。
しかし、大きな岩を乗り越えるために、歩幅を大きくして歩かなければいけない道は疲れます。
そして、梯子も出てきます。
槍ヶ岳みたいな梯子ではありません。
もっと短く、高度感もありません。
ただ、人工物が苦手な人もいると思うので、落ちないように気を付けて登りましょう。
2400m付近まで登ると木々の背丈も低くなり、青空が見えて来ます。
森林限界が近付いている事がわかります。
息が上がり、しんどいなと思いますが、そう感じたなら山頂はもうすぐです。
疲れも絶景が観られれば、ふっとびます。
山頂の絶景
山頂直下に到着するとゴツゴツ岩がお出迎えしてくれます。
火山活動後の名残が残っている山頂直下は今までの登山道とは違う風景が広がっています。
目の前の山頂だけではなく、山と山の間に雲海が広がり紅葉と相まって秋らしい景色です。
振り返ると視界が広がり、高い山を登っている事を実感できます。
山頂からは南八ヶ岳の名峰達、日本のシンボルである富士山、八ヶ岳よりも早く冠雪を迎えた南アルプスを眺める事ができます。
山頂から観る雲海は白い絨毯となりどこまでも広がっていました。それに加えて色とりどりに色づいた木々も観る事ができ、初めて観る景色を観る事ができました。
少し木々の近くに行けば風を防ぐ事もできるので、この絶景を観ながらお昼を食べることができます。
ここまでパノラマに景色が広がり、山々を近くに感じられる山頂はそこまで多くないです。
多くの山もパノラマ絶景を観る事ができますが、山々は遠いです。
縦走路が続く山は次の山は近くに感じますが、それ以外は遠いです。
編笠山は権現岳、阿弥陀岳、赤岳、横岳全てが近くに感じられる山頂です。
青年小屋まで
山頂に満足したらピストンで帰ってもよし、青年小屋に寄ってもよし。
今回は遠い飲み屋で有名な青年小屋によってみます。
青年小屋までは約30分で行けますが、その30分が大変です。
火山活動後の名残のゴロゴロ岩道を30分歩きます。
大きな岩が重なり有り、ぽっかり開いた穴が無数にあります。
道標はありますが、穴に落ちないようにルートファイティングをしながら小屋へ向います。
ルートファイディングのコツは歩く道の更に先を見ながら道を選択すると良いでしょう。
そうすれば、歩きやすい道をずっと選択できます。
ここをテント泊装備で歩くのはかなりの神経を費やしそうですね。
いつか編笠山と権現岳の2座テント泊をしてみたいですね。
青年小屋は11月上旬で営業を終了しています。
トイレも凍ってしまうので、閉鎖していました。
水場は西岳方面に5分ほど進むと乙女の水という水場があります。
凍って出ない、雪に埋もれて掘り出せないなど冬季は当てになりません。
水分は持参される事をおすすめします。
夏のテント場は有料、冬は無料になります。
ただ、冬はトイレも水もないので過酷なテント泊になりそうです。
下山道
青年小屋から巻き道で押手川へ帰ります。
よく整備されている道で急な道もなく歩きやすいです。
行きの道も苔を楽しめましたが、こちらの道の方が苔むした道を楽しむ事ができます。
苔は南八ヶ岳よりも北八ヶ岳、岩稜は北八ヶ岳よりも南八ヶ岳と言われています。
どちらも見所が違いますが、ここの道は北八ヶ岳の苔むした森のような道が続いています。
南八ヶ岳の中で苔むす森と言えば、美濃戸登山口の南道、行者小屋へ進む道がお薦めです。
苔が濃く力強く感じます。
北八ヶ岳だと白駒池から歩くニュウや中山がおすすめです。
こちらは爽やかな苔の森を楽しむ事ができます。
それ以外にも白駒池や奥庭、中山から観る大パノラマと多くの見所があります。
さて、難所もなく登山道を歩くと押手川に到着です。
ここからは緩やかな道を下山して観音平へ帰ります。
今回の登山装備品
今回の装備のポイントは「保温ボトル」です。
11月になると水も欲しくなる瞬間と白湯が欲しくなる瞬間があります。
なので、どちらも飲めるようにペットボトルと保温ボトルを持って行きます。
それ以外に気を付けたポイントは防寒着は忘れないようにしました。
秋の登山装備 | |||
---|---|---|---|
ザック | タロンベロシティ30 | 1泊2日だと35L前後がおすすめです | |
パンツ | ノースフェイス ビックウォールパンツ | 適度な厚さで春秋に最適です | |
ベースレイヤー | ミレー ワッフルウール | ウールが70%のため暖かく、乾きやすいです | |
肌着 | ミレー アンダーウェア | 汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です | |
防寒着 | パタゴニア ナノエアパーカー | 軽くて暖かく、そして汗抜けのいいアクティブインシュレーションです | |
手袋(インナー) | スマートウール メリノグローブ | 薄く暖かいので、重ね着がしやすいです | |
手袋(防水) | ファイントラック エバーブレストレイルグローブ | レイングローブやインナー手袋と合わせてレイヤリング可能 | |
レインウェア | ノースフェイス クライムライトジャケット | 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。 | |
靴下(厚手) | スマートウール マキシマムクッション | 暖かく履き心地がよいです。 | |
登山靴 | スポルティバ トランゴ タワー GTX | 秋は冬靴ではなくて問題ありません。 | |
ストック | シナノ トレッキング ポール ロングトレイル | 軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。 | |
ヘッドライト | ペツル ACTIK アクティック | 広範囲を照らします。 | |
保温ボトル | サーモス 山専用ボトル | 秋も寒いので、ほっと一息。 | |
水 | 天然水 | 行動時は暑いので、水は必要です。 | |
ファーストエイドグッズ | Kozy More 救急セット | 網羅されている応急セットです。 | |
バッテリー | Anker Power Bank バッテリー | 寒くなるとスマホのバッテリーは落ちやすいので必携品です。 | |
日焼け止め | スキンアクア 日焼け止め | 雪からの照り返しもあるので必携品です。 | |
行動食 | カルパス | 疲れた身体を癒やしてくれます。 |
駐車場とトイレ事情
駐車場は冒頭で説明したので、そこを参照ください。
トイレは観音平駐車場にあります。
仮設トイレですが、とても綺麗でした。
青年小屋の営業終了後は唯一のトイレはここだけです。
トイレットペーパーはありましたが、当てにはせずに持参した方が良いと思います。
まとめ
観音平駐車場から登る編笠山について紹介しました。
観音平駐車場から登る編笠山は標高差、累積標高ともに約1000mです。
危険箇所もなく、登った充実度も味わえる丁度良い登山道です。
初心者の方でも日帰りで登り事ができます。
11月中旬でここまで行く道路は封鎖されます。
それまでに是非登ってみてください。
コメント
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