穂先をキリッと尖らせた穂高連峰の代名詞でもある槍ヶ岳。
遠くの山から観ても、誰もが槍ヶ岳とわかるほどアルプスのシンボル的な山です。
その穂先に登ってみたと憧れを持つ方は多いはずです。
しかし、槍ヶ岳は急峻な岩場が続き、所々鎖場や梯子もある道が続きます。
足場は確保されていますが、晴れていると遙か彼方下に槍ヶ岳山荘が見え、それが更に高度感を増強させます。
槍ヶ岳に登るには急峻な岩場の技術だけではなく、体力も必要です。
槍ヶ岳は縦走を除き、長野県の上高地もしくは岐阜県の新穂高から登ります。
どちらも累積標高2000m、コースタイム9時間と長丁場の登山になります。
これらの情報を聞くと諦めたくなります。
しかし、諦めなくて大丈夫です。
これから、槍ヶ岳穂先の登り方や槍ヶ岳のルート、疲れずに登る方法をお伝えします。
是非、槍ヶ岳に挑戦してください。
素晴らしい景色があなたを待っています。
もし、それでも不安だと思う方は他の方法を紹介しています。是非ご覧下さい。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
イメージ動画
こちらは新穂高ロープウェイ駅から槍ヶ岳に登った動画です。登山道などサクッとイメージしたい方はご覧下さい。
ルート概要
槍ヶ岳に登るには縦走を含めて4つのルートがあります。
- 表銀座ルート:大天井岳からの縦走ルート
- 西鎌尾根ルート:双六岳から西鎌尾根の縦走ルート
- 槍沢ルート:上高地から登るルート(青線)
- 飛騨沢ルート:新穂高から登るルート(赤線)
ここでは縦走ルートは伝えず、ダイレクトに槍ヶ岳に行くルートをお伝えします。
もし、西鎌尾根について知りたい方はこちらの動画をご覧下さい。
槍沢ルートがおすすめの人
体力に自信がない方におすすめのルートです。
上高地から登る槍沢ルートの最大の利点は山小屋が多い事です。
上高地は北アルプスの玄関口なので、多くの登山者が訪れます。
登山者以外にもキャンパーや観光客の多く訪れるので、道も整っています。
涸沢までの分岐の横尾まで1時間毎に山小屋があるので、トイレの心配もなし、水不足の心配もありません。
そして、登山道も歩きやすく、上高地の美しい景観も楽しみながら歩く事ができます。
また、上高地から槍ヶ岳山荘まで明神館、徳沢園、横尾山荘、槍沢ロッジ、殺生ヒュッテと山小屋が点在しています。
上高地から槍ヶ岳へ登るには約9~10時間かかりますが、横尾山荘や槍沢ロッジに泊まれば、一日登山時間は約4~5時間に抑える事ができるので、体力に不安がある方には安心できます。
横尾山荘はお風呂もあるので過ごしやすいです。
周回コースはではありませんが、天狗池や大喰岳を歩く事もできます。
飛騨沢ルートがおすすめの人
自由に登山を始めたい方、一日で槍ヶ岳へ行きたい方はこちらのルートがおすすめです。また、周回コースを考えている人にもおすすめです。
上高地の利点でもあり、欠点でもあるのはマイカー規制です。
バスやタクシーで上高地へ向わなければなりません。
タクシーはバスよりも早く到着できますが、それでも限りがあります。
早くても6時ぐらいから登り始めるので、コースタイム通りに登ると槍ヶ岳に15時、休憩も入れると16時ぐらいです。
夏ならいいですが、秋だと辺りは暗くなってきます。余裕を持った登山を心がけるなら少し不安があります。
一方、飛騨沢ルートの出発時間は自由です。朝の3時に出ても、4時に出ても問題ありません。
自分の体力に合わせて出発時間を決められます。
そして、夏なら朝早く出れば出るほど、夏の暑さを回避できます。
夏の暑さは無限に体力を削っていきます。
これにより、予想外に身体が動かなくなります。それは遭難のリスクをあげます。
楽しく登山を楽しむなら、早出早着は大切です。
ただ、ここは上高地と比べて山荘は少ないです。
槍ヶ岳山荘までに新穂高山荘、槍平小屋のみです。
槍ヶ岳山荘に行く、急登に山荘がないのはトイレや水に対して不安が残ります。
しかし、槍平小屋はこのルートの丁度真ん中にあり、新穂高から約4時間で山小屋に到着できます。
上高地同様、体力に自信が無い方は宿泊する事をおすすめします。
また、このルートは西鎌尾根へ縦走し、双六岳を堪能した後、小池新道を通り、新穂高へ下山する周回ルートを歩けます。
このルートは自分達がこれから歩く道、自分達が歩いて来た道を山の上から見ることができます。
また、最初から最後まで槍ヶ岳を観る事が出来る贅沢ルートです。
ツアーがおすすめの人
動画の穂先の様子や槍沢ルートや飛騨沢ルートの累積標高や行動時間を観て少しでも不安に思った人はツアーがいいかもしれません。
特に最近何もないところで転ける、バランス感覚が鈍くなったと感じている人は尚更です。
50歳をピークに筋肉量は減少していきます。また、バランス感覚も加齢と共に低下します。
なので、身体的に衰えがある中、技術力も未熟の中登るのは不安があります。
そこで、技術力をカバーし、安全に槍ヶ岳を登り切るにはガイドの力を借りましょう。
休憩や食事のタイミング、歩くスピードも教えてくれるので、疲れずに登れます。
累積標高2000m、登り10時間は甘くみてはいけません。
最後までブログをみて、不安が拭えない人はツアーガイドをおすすめします。
ルート詳細
ここからは新穂高から槍ヶ岳までを詳細に解説していきます。
新穂高から槍ヶ岳へ登る事を計画している人は是非参考にしてください。
槍ヶ岳から双六岳へ続く西鎌尾根について知りたい方はこちらをご覧下さい。
新穂高登山指導センター前から白出沢登山口
新穂高登山指導センターから登山を開始します。
ここは笠ヶ岳や西穂高岳へ登る方もいるので、賑やかです。
この日も笠ヶ岳へ向う人や下から西穂高岳へ登る人もいました。
白出沢登山口までひたすら林道歩きです。砂利道の緩やかな登りです。
街頭がないので、ヘッドライトは必須です。
歩きやすい道で迷いようがありませんが、石に躓く可能性が充分あります。
途中に新穂高小屋への近道案内がありました。
20分短縮できるそうですが、道は荒れており登った事を後悔する人もいました。
初心者は大人しく林道を歩いた方が良さそうです。
新穂高小屋まで林道歩きは1時間です。
あまり景色は開けていませんが、ときおり魅せる山の朝に元気をもらえます。
山頂の景色を期待しながら登ります。
最初から急登を登るよりも緩やかな林道を歩いた方が身体のアップにはいいかもしれません。
この日の新穂高小屋は臨時休業で山小屋の方はいませんでした。
トイレは24時間使えますが、ペーパーはないです。
水もないので除菌シートなどがあると衛生的です。
更に1時間ほど歩くとやっと白出沢登山口に到着します。
ここは奥穂高岳へのバリエーションルートの登山口でもあります。
奥穂高岳と言えば涸沢から登ると思っていましたが、岐阜県飛騨側からも登れるのかと初めて知りました。
登る事は一生ないだろうなと思いながら先を進みます。
白出沢登山口から槍平小屋
白出沢登山口から槍平小屋まではだいたい2~3時間で到着します。
白出沢登山口以降はいくつもの沢を渡ります。
槍平小屋まで白出沢出合、涸れ沢、チビ谷、滝谷、南沢も4つ、槍平小屋以降名も無き沢、最終水場の2つ合計7つの沢を渡ります。
最後の方はどこの沢を登ったのか訳がわからなくなります。
滝谷以外涸れていて沢を渡るのは問題ありません。
しかし、雨になると増水して普段涸れている道も川になるので注意が必要です。
では、詳しく観ていきましょう。
白出沢は大きめの沢です。でも、水はないです。
大きめの岩はありますが、岩の上をぴょんぴょん歩きます。
岩を選びながらゆっくり歩けば問題なく歩けます。
広すぎてぱっと見どこが登山道かわからなくなりますが、塀の横を進んでいけばピンクテープを見付ける事ができます。
ピンクテープを越えると土道と岩道と木の根道のミックス道です。
岩には苔は少なくグリップの効いている登山靴なら滑ることもなく歩く事ができます。
次は涸れ沢です。2023年の7月の豪雨にて道が荒れてしまった沢です。
歩く道はわかりますが、所々に甚大な被害が出たことを彷彿させる箇所があります。
落石のリスクも高いので、ここでは休憩せず素早く通りましょう。
涸れ沢を過ぎた後は土道は減り大きな岩場が出てきます。
こんな岩がどうしてここにあるんだろうと疑問に思います。
自然の力はすごいですね。
こういう場所も多くのあるので、登っている時に岩と岩の隙間に足を挟みました。
これだけ岩があるのでこうなることもあるでしょう。
転倒しなくてよかったです。
でも、滑りやすい土道や木道よりも歩きやすく、標高も稼ぎやすいので私は好きです。
進むと緊急避難場所が出てきます。
洞穴みたいな空洞で大人2人ぐらい入れます。
雨風をしのぐには丁度いいですね。低体温症にならず、救助隊を待つことができます。
ここでは電波入ったか覚えていないです。
ココヘリとか持っていれば、電波を受信して見付けてくれるかもしれませんね。
ここを通り過ぎしばらくすると、チビ谷が出てきます。
白出沢よりも少し小さいですね。
こんなに小さな沢ですが、雨が降ったら川になるんでしょうね。
登山前後の天気確認は大切ですね。
チビ谷を過ぎると再び林道に入ります。ここから滝谷までは迷い場所もいくつかあります。
例えば、ここ。
矢印は書いてあるのですが、まっすぐ進みたくなります。
踏み跡もあり、川がある事が特段不思議ではない道なので、そのまま直進してしまいます。
特に下を向いていると矢印に気付かずに進んでしまうでしょう。
左右を見渡して、矢印の通り左方面へ向いましょう。
ちなみに、滝谷の手前のこの辺りは避難小屋があります。
登山道よりも上にあるのでまっすぐ前を向いて歩いていると見逃します。
岩壁で趣のある小屋です。
水はないので沢で汲みましょう。
滝谷避難小屋を通り過ぎると、よく見る沢にでます。滝谷の出合です。
このルート唯一徒渉をする場所です。
槍平小屋が接地してくれた橋を渡ります。細そうに見えてしっかり幅はあるので安心して登れます。
増水時は橋がながされやすく、そうした場合は徒渉が困難になります。
ここの見所は滝谷ドームです。クライミングの聖地と言われています。ジャンダルムに間違えられやすいのでも有名です。
かっこいいですが、ここも奥穂高岳バリエーションルートと同じく登る事はないでしょう。
ここは広く落石のリスクも少ないので、休憩しやすいです。
滝谷を過ぎると電波ありの看板がありますが、docomoの電波は入りませんでした。
ソフトバンクは入ったので、会社によって変わるのかも知れません。
少し進むとレリーフが出てきます。
この方は藤木九三さんという方で北穂高滝谷を初めて登攀した方です。
その他でも山関連で尽力されたそうです。昔の人は本当にすごいと思います。
少し歩きづらい岩場を越えると木の階段が出てきます。
ここを過ぎると南沢です。
ここの沢も普段は涸れていますが、雨が降るとこんな感じになります。
いやはや。怖いですね。
自然の力強さを感じます。
木の階段や木道など道が整備されてきたらもうすぐで槍平小屋です。
ここまで約5時間かかりました。
槍平小屋手前には開けた場所があります。ここも晴れていたら綺麗な景色を観る事ができます。
槍平小屋から千丈分岐
槍平小屋までで行程の半分です。まだ先は長いです。
ここでしっかり休んで後半戦も元気に登りましょう。
千丈分岐以降標高を一気に上げるので、カロリーを失いやすいです。
しっかりおにぎりやカップラーメン、パンなどカロリーのある炭水化物類を食べておきましょう。
槍平小屋キャンプ場を拠点にして荷物を軽くして槍ヶ岳に登る人もいます。
槍平小屋も景色の良い場所なので、それもいい選択肢です。
槍ヶ岳山荘からの雲海や星空を観たい方は上まで登らなければ観れないので、頑張りましょう。
小屋から40分ほど歩くと名も無き沢に出ます。
そして、すぐ湧き水が至るところから出て、登山道が水浸しになっているエリアに入ります。
そこから約1時間で最終水場にでます。
これ以降、千丈分岐の救急箱まで一切の水場がありません。
槍平小屋で約5時間分の水をしっかり汲んでおくか、ここの沢で汲むかしないと大変です。
沢で汲む場合は浄水器があると便利です。
ソフトタイプで小さくなれる物が欲しい方はこちら。デメリットは穴が開くと使えなくなる。
専用のバックにしか装着できず、応用が利かないところです。
ペットボトルからどのバックでも装着可能な浄水器はこちら、ソーヤミニ。
やや手入れが面倒くさいけど、99%浄水してくれます。
稜線が見えているけど、中々つきません。
ここはきつかったですね。歩いても歩いても近付かない稜線とヤマップを5分ごとに観ていました。
小屋から約2時間で千丈乗越を下から見上げる場所に来ました。
ここまで来ると景色も開けて少し元気になります。
西鎌方面も槍ヶ岳方面もガスが出たり、開けたり様々な姿を魅せてくれます。
道は石畳でよく整備されています。一本道しかないので、道に迷う事もないです。
下から見るとどこの道を歩いたらいいのかわからなくなりますが、歩いているとそこしか道がありません。
そのような道を30分ほど歩くと千丈分岐に到着しました。
千丈分岐には救急箱があります。
中には水などがあるそうです。確かに、槍ヶ岳山荘まで後500m標高を上げなければなりません。
それまでに水がつきてしまう人も中にはいるでしょう。
たまに、ここの救急箱に救われる人がいるそうです。
ここでしっかり休憩を挟みます。
千丈分岐から飛騨乗越、槍ヶ岳山荘へ
千丈分岐から千丈乗越経由がいいか、飛騨乗越経由がいいか悩まれる方がいると思います。
より歩きやすいのは飛騨乗越です。
千丈乗越までの道はやや荒れています。そして、気持ち道が緩やかなのは飛騨乗越です。
景色がコロコロ変わり気分を変えたい人は千丈乗越がいいかもしれません。
どちらも最後の登りは辛いです。
景色が変わる千丈乗越か安定の飛騨乗越か。選ぶのはあなた次第です。
今回は安定の飛騨乗越経由で向います。
上はガレ場もあります。疲労困憊の中で登るのはしんどいですが、登り切れば槍ヶ岳が待っているので頑張りましょう。
登り初めて少し立つと槍ヶ岳山荘と槍の穂先が見えてきました。
正直どれが槍ヶ岳かわかりませんが、山荘はわかります。写真を拡大して探してみてください。
すごい場所に立っていますね。
あそこまでまだまだあります。
こういう道は上を向いても景色が一向に変わらず、到着する気が全くしないのが難点です。
つづら折りに登って行きます。
下から見ると道なき道を歩いていますが、西鎌尾根から観るとちゃんと道を歩いていました。
このようにつづら折りで登っていきます。
後ろを振り返ると笠ヶ岳が見えるはずですが、全く見えません。
時折後ろからガスがこの一帯を多い、真っ白になります。
不安になりますが、また風がガスを運び去り、青空が顔を見せてくれます。
様々な表情を観る事ができ、その度に嬉しくなります。
それでも虚無の気持ちにはなります。
そんなこんな虚無の気持ちで歩いていると稜線が少しずつ近付いて来ます。
登山の良いところは歩いていると目的に着くところです。
ここまで近付いてくるとあと少し。そして、標識が見えて来ます。
飛騨乗越から槍ヶ岳が、どーんと槍ヶ岳が見えますが疲れてこんなテンション。
下を観ると上高地側から登る道が見えます。
殺生ヒュッテは画になりますね。
この巨岩を巻いたら槍ヶ岳山荘のテント場に到着します。
そして、槍ヶ岳山荘に到着しました。達成感しかないです。
槍ヶ岳山荘の様子
槍ヶ岳山荘は150人収容できる大規模な山小屋です。
二段ベッドの大部屋、二段ベッドと壁で仕切った簡易個室、個室の3種類があります。
個人的には簡易個室が気に入りました。
個室よりも安価(+6000円で泊まれるのに、プライベート空間は保たれていて、疲れた身体を癒やすのには丁度よかったです。
仲間と酒盛りをしたい方は個室がいいかもしれませんね。
食事はご飯、お味噌汁はおかわり自由です。おかずが少なめですが、山の上で暖かいご飯が食べれるだけ幸せです。
夜空、朝日、そして槍ヶ岳の穂先へ
星空が一番綺麗なのは朝2~3時ぐらいです。
月も沈み、太陽もまだ出ていない時間なので一番明るく星が見やすいです。
天の河も観る事が出来て感動ものです。
この景色は山頂付近でしか観られないので、頑張って登る価値があります。
9月中旬の日の出は朝の5時半ぐらいです。朝日を穂先で観るとご飯の時間に間に合わないので山荘前で観ます。
雲海と日の出に照らされる槍ヶ岳、最高です。是非、ご自身の目で観ることをおすすめします。
さて、ご飯も食べて準備を済ませて、空身で槍ヶ岳山頂を目指します。
概要図はこんな感じです。一つずつ観ていきます。
①ゆるやかな登り
槍ヶ岳の取り付きに入ります。ヘルメットをかぶりいざ槍ヶ岳へ。
矢印があるので場所はすぐわかります。
最初はゆるやかな登りなので身体を岩場に慣らしていきましょう。
後ろを振り返ると槍ヶ岳の影を観る事ができます。
余裕があったら観てください。
②本格的な岩場へ
今までは手を遣わなくても登れましたが、全身を使って登って行きます。
突然の岩場登りに恐怖感を感じるかもしれませんが、足場はしっかりしています。
3点確保を意識して登りましょう。
後ろを振り返ると槍ヶ岳山荘の全貌を観る事ができます。
③小槍を観た後は更なる上へ
②を登り切ると裏側へ行きます。ここから小槍が見えます。
小槍は上級者かつロープワークが必要になります。
小槍を眺め、そこから槍ヶ岳方面へ目を向けると梯子や鎖場が見えて来ます。
「あんな高く登るのか」と思うかも知れませんが、登り始めるとあっという間です。
足場もあるので、ゆっくり登りましょう。
④鎖の留め具を足場に梯子へ
このルートで一つ目の鎖場と梯子です。
鎖を補助的に使い登ります。
しかし、足場も少ないので、鎖の留め具を足場にして登ります。
梯子は安定しているので、安心できます。
梯子の横ではなく、足場を持ちましょう。横は滑りやすく、滑落予防にはならないからです。
ここのルートの梯子全てに言えますが、梯子の足場に岩が迫り出ている箇所があります。
足がしっかり乗らない場所もあるので、注意しましょう。
⑤杭を頼りに更に上へ
梯子を乗り越えると、次は一枚岩(スラブ)の様な箇所に不規則に打ち込まれている杭を足場に登る場所です。
身長が低いとこの杭に足があがらず苦労します。
杭以外にも足場はあるので、時間をかけてゆっくり登りましょう。
杭は安定しているので、抜ける心配はなさそうです。
この辺りから槍ヶ岳山荘はかなり遠くに感じるようになります。
写真だと高度感を感じますが、実際はそこまで感じません。
それよりも「槍ヶ岳に登っている!!」という高揚感に満たされます。
⑥二つ目の梯子を登る
二つ目の梯子が出てきます。ここは短い梯子です。
変わらず、梯子の足場には岩場が迫り出ている場所があり、つま先しか乗っていない場所もあります。
ここは山頂から降りてくる人とすれ違いますが、上りルートと下りルートは異なります。
すれ違いに戸惑う事は少ないです。
⑦山頂まで続く梯子
山頂までに二つの長い梯子を登ります。時間的には1分ぐらいですが、慣れない人は何分何十分と登っている感覚を覚えます。
リズム良くサクサク登った方が恐怖感は抑えられるので、試してみてください。
そこを登り切ると絶景と達成感があなたを出迎えてくれます。
思い切ってこの喜びを堪能してください。
山頂は15人ぐらい立てる場所があります。
写真スポットである祠は1人ぐらいしかすれ違えないです。
道もゴツゴツしているので、慌てると足をひっかけやすく、思わぬ滑落が起きます。
譲り合いながらみんなで山頂を楽しみましょう。
⑧帰りは三つの梯子を下る
山頂直下から真下の梯子を観ると恐怖を感じますが、ゆっくり足をかけて降り始めれば恐怖感も薄れます。
渋滞の際は焦ってしまいますが、焦らず自分のペースで降りましょう。
最後の梯子になる頃には、高度感から来る恐怖感は過去のものになっています。
それぐらいいくつもの難所を乗り越えていくからです。
⑨長い鎖で一気に下山
下りは槍ヶ岳をトラバースするような形で下山していきます。
下から見ていると登りの人と違うルートで降りてくる人に疑問を思っていましたが、正規ルートだったんですね。
足場が狭い場所もあるので、気を付けながら降りましょう。
足場が広くなる場所まで鎖が張っているので、安心できます。
以上が槍ヶ岳までの詳細ルートです。
思っている以上に足場はしっかりしており、登りやすいです。
しかし、それでも不安な方は無理しないで、練習をしてからチャレンジしてください。
それかガイドさんの力を頼っても良いと思います。
今回の登山装備品
今回は9月中旬に槍ヶ岳に登りました。
終始半袖でしたが、朝方や山頂付近は肌寒く、山シャツが活躍しました。
風があると山シャツだけでは、物足りずレインウェアを来ました。
パンツはNorthFaceのビックウォールパンツが気温的に最適でした。
登山装備 | |||
---|---|---|---|
ザック | オスプレーカイト38 | 身体にしっかりフィットするので長時間の山行に最適です | |
パンツ | ノースフェイス ビックウォールパンツ | 適度な厚さで春秋に最適です | |
ベイスレイヤー | アイスブレイカー スフィア2 | 肌触りが良く、速乾性もあるので汗冷えしにくいです | |
山シャツ | カリマー Yシャツ aerial | 肌寒い時にさらっと着られます。便利な一着 | |
肌着 | ミレー アンダーウェア | 汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です | |
手袋(防水) | ファイントラック エバーブレストレイルグローブ | レイングローブやインナー手袋と合わせてレイヤリング可能 | |
手袋(岩稜帯) | ノースフェイス グローブ | 生地がしっかりしているので、岩稜帯に適しています | |
部屋着(ズボン) | Black Diamond ノーションパンツ | さらっと履けるリラックスパンツ。行動着が汚れてもこれを履いて下山できます。 | |
部屋着(ベースレイヤー) | アイスブレーカー 200 オアシス LS クルー | 着心地がいいので部屋着としても最適 | |
部屋着(フリース) | モンベル クリマプラス100 | 部屋着にも星空観察にも使えます。 | |
ダウン | パタゴニア ダウンセーターフーディ | もしもの時に持参しました。 | |
レインウェア | ノースフェイス クライムライトジャケット | 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。 | |
靴下(厚手) | スマートウール マキシマムクッション | 暖かく履き心地がよいです。 | |
登山靴 | スポルティバ トランゴ タワー GTX | 秋は冬靴ではなくて問題ありません。 | |
ヘルメット (岩稜帯にいきなら) | Black Diamond ヘルメット | 帽子sサイズの方にはマムートがおすすめです。 | |
ストック | シナノ トレッキング ポール ロングトレイル | 軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。 | |
ヘッドライト | ペツル ACTIK アクティック | 広範囲を照らします。 | |
浄水器 | ソーヤー ミニ | どんな状況でも飲料水を作れます。 | |
水 | 天然水 | 行動時は暑いので、水は必要です。 | |
ファーストエイドグッズ | Kozy More 救急セット | 網羅されている応急セットです。 | |
バッテリー | Anker Power Bank バッテリー | 寒くなるとスマホのバッテリーは落ちやすいので必携品です。 | |
歯磨きセット | NONIO 歯磨きセット | 口腔ケアはどこでも大切です。 | |
汗ふきシート | ビオレ ボディーシート | 春でも汗がでます。 | |
日焼け止め | スキンアクア 日焼け止め | 雪からの照り返しもあるので必携品です。 | |
行動食 | カルパス | 疲れた身体を癒やしてくれます。 | |
INゼリー | 暑くてものどごしがよく食べやすいです。 |
季節の服装に悩んでいる方はこちらをご覧下さい。
どのような服装がいいのか、天気と共に知る事ができます。
駐車場とトイレ事情
新穂高登山指導センターにはいくつもの駐車場があります。
無料の駐車場から有料の駐車場まで様々です。
P5が新穂高登山指導センターに一番近い無料駐車場です。
しかし、ここが激戦中の激戦区です。
休日前日の22時には満車になるほど大人気です。
それもそのはずで、新穂高から槍ヶ岳だけではなく、笠ヶ岳、西穂高岳と名峰の玄関口になっています。
なので、登山者も多いです。
確実に駐車したい方はP4を予約するのも手です。
有料で3日間で約7000円ぐらいかかりますが、時間を気にしなくてよくなります。
トイレや登山口も近くになります。
7000円以上の価値がある駐車場だと思います。
新穂高から槍ヶ岳の道中にはトイレが4つあります。
新穂高登山指導センター、新穂高小屋、槍平小屋、槍ヶ岳山荘の4つです。
槍平小屋から槍ヶ岳山荘まで約5時間あるので、トイレ問題が心配な方は携帯トイレを持参する事をオススメします。
隠れてする場所は少ないですが、可能な登山ルートです。
まとめ
新穂高から槍ヶ岳まではかなり長い山行となります。
そのため、一日で行くには体力で不安な人もいると思います。
そういう人は山小屋を活用しましょう。
時間はかかりますが、体力を温存しながら登る事ができます。
時間的に猶予がなく一日で槍ヶ岳に登らなければならない人は朝早く出てゆっくり登る事をおすすめします。
息が切れない程度に登ると乳酸が抑えられて疲労しにくくなります。
詳しくはこちらをご覧下さい。
憧れを諦めず、実現できる事を祈っています。
では、またあいましょう。
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