登山装備に何を持って行く?季節ごとの山の天気を知れば答えがわかる。

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「自分の登山装備はこれでいいのだろうか」

登山前に頭をよぎる悩みNO1でしょう。

誰しもが、より安全に、より快適に登山を楽しみたいと願っています。

わざわざ苦行のような登山は誰も望んでいません。

だからこそ、登山装備について悩みます。

「このベースレイヤーで暑くないかな」

「ダウンっているのかな」

「このザックは大きすぎないかな、重くないかな」

「もしもの時を考えると、あれもこれもかな」

このような悩みに頭を悩ませた事は一度や二度ではないでしょう。

結論、登山装備はオーバースペックでいいと思っています。

なぜなら、遭難時に一命を取り留めるか否かは登山装備にかかっているからです。

道迷いをして寒い夜を過ごしている時、ダウンやフリースがあれば暖を取ることができます。

捻挫をして痛くて歩けない時、テーピングがあれば少し痛みが和らぐかもしれません。

しかし、何でもかんでも持って行けばいいわけでもありません。

遭難したら大変だからと言って、日帰り登山なのに55Lザックに食料、水、シェルターなど色々詰め込んで歩いたらどうでしょう?

恐らくザック重量は13kg以上になるでしょう。

日帰りの山行はだいたい往復6~9時間なので、この重量を背負い歩くのは大変です。

登山初心者がこの重量で歩いたら疲労で動けなくなります。

登山は軽いが正義でもあります。

過不足ない登山装備が必要な反面、必要以上の登山装備は不要です。

だから、登山装備の準備は難しいのです。悩むのです。

登山装備に悩む要因の一つは季節です。

同じ山でも季節が変われば登山装備が変わります。

では、どうすればいいのか。

その悩みを解決するには季節別の山の天気を知る事です。

そうすれば、あなたが登りたい季節の登山装備を準備しやすくなります。

そこで、これから季節別の山の天気や季節別の登山装備を紹介します。

主に八ヶ岳やアルプスをイメージして登山装備を紹介します。

これを見れば、自分で考えて登山装備を選ぶ事ができます。

このブログがあなたの山行の一助になれば嬉しいです。

【注意】

登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。

季節によって登山装備は変わる

山の天気は変わりやすい

「山の天気は変わりやすい」

一度は聴いた事があるでしょう。

まさに、その通り山の天気は変わりやすいです。

山は低気圧そのものです。

低気圧とは、空気が軽く周囲の空気を巻き込みながら上昇していく特徴があります。

山の地形からも同じ原理が起こります。

山では、麓でおきた風が山肌を伝っていき、上昇気流となって山頂へ登って行きます。

この上昇気流が雲を発生させます。

登り初めは晴れていたのに、午後から曇りになるのはこの現象によります。

加えて、標高が高くなればなるほど気温が冷やされる事でさらに雲が発生し、山の天気を悪化させます。

だから、標高の高い山の天気は崩れやすいのです。

また、太陽の日射が強いと空気が暖められて、軽くなった空気が上昇気流となり登って行きます。

山頂で冷やされればさらに雲は大きく発達します。

だから、夏山の午後は天気が崩れやすいのです。

さらに、積雲が上空に伸びるようなら、寒冷低気圧の可能性が考えられます。

寒冷低気圧は雷を発生しやすいです。

だから、夏山では雷が頻発するのです。

このように、山の天気を知るだけで、どのような天候になるかイメージする事ができます。

イメージできれば、登山装備も準備しやすくなります。

3つの低気圧について

低気圧は天気が悪くなるという事は知っていると思います。

ここでは簡単に低気圧について知って触れておきます。

低気圧には温帯低気圧、温暖低気圧、寒冷低気圧の3つがあります。

温帯低気圧は冷たい空気と暖かい空気の差が大きくなった場所に発生します。

その差が大きければ大きいほど強い風が吹きます。

春や秋に西から進んでくる低気圧のほとんどは温帯低気圧です。

温帯低気圧の中には春一番があります。

春一番はめちゃくちゃ強い風ですよね。これにより、3月は雪崩のリスクがずっとあがります。

温暖低気圧は海水が温められて生じた上昇気流です。いわゆる台風です。

風速17m/sに達すると台風と定義つけられます。

海水が温められて上昇気流となり台風へと成長します。

台風は大気圧のへりを通しますので、高気圧の位置により進路が大きく変わります。

8月、続いて9月に台風が発生しやすいです。

寒冷低気圧とは上空のジェット気流が原因となって起こるため,中上層の高度の高い位置に見られます。

対流圏中上層にかけて低気圧性循環が明瞭な低気圧として確認できますが、地上天気図では確認できません。

なので、天気予報で「上空に寒気を伴った低気圧」とあれば、それは寒冷低気圧です。

寒冷低気圧とは、上は冷たい空気、下は暖かい空気が激しく対流する事で雲が発達します。

これにより、積乱雲が発達し、雷や強い雨をもたらします。

寒冷低気圧の動きは遅いため、2~3日間その場にいることが多いです。

「雷3日」という言葉があるように、夏場はしばしば雷が降り続けます。

気温と体感温度

季節により気温の変化があり、標高や風によっても気温が変わります。

ここで改めて言われなくても、あなたなら知っていると思います。

では、実際に立山を例にして想像してみましょう。

立山は雄山、大汝山、富士ノ折立の3つからなる山脈です。

北アルプスにあり3000m級の名峰達です。

では、立山の8月と1月の気温を言えますか?

ちょっと想像してみてください。

立山は夏でも涼しいから20度ぐらいかな。立山は富山県だからね。きっと冬は寒いから-10度ぐらいかな。

皆さんは何度を予測しましたか?

では、実際に観てみましょう。

8月は最高気温16.7度、最低気温は7.5度でした。1月は最高気温-13.4度、最低気温は-20.5度でした。

予想は当たっていたでしょうか?

そして、最高気温と最低気温に分けて想像できていましたか?

あなたの予測した天候で登山装備を準備していたら、きっと低体温症となっていたかもしれません。

最悪遭難していたでしょう。

標高1000mで6度気温が下がると言われています。

立山駅は標高450mに位置しているので、雄山山頂との差は約19度差です。

室堂駅は標高2450mなので、雄山山頂まで約3度の差があります。

登る季節の平均気温を知っておく事、標高1000mで6度低下する事実を知っているだけでも登山装備は変わってくるでしょう。

また、体感温度についても知っておく必要があります。

体感温度とは、肌で感じる温度の事です。

体感温度を決める要素は「気温」「風」「湿度」「放射」「代謝」「着衣量」で決まります。

風が一番わかりやすいので、風で説明します。

風が流れるとその流れに乗って肌から熱が逃げていくので涼しく、または寒く感じます。

だいたい風速1m/sで体感温度は1度低下すると言われています。

もっと厳密に計算すると、体感温度=気温―(4×√(風速))で計算できます。

例えば、

風速1m→4×1℃(√1は1)は体感温度4度低下

風速4m→4×2℃(√4は2)は体感温度8度低下

風速9m→4×3℃(√9は3)は体感温度12度低下

風速16m→4×4℃(√16は4)は体感温度16度低下

一概に風速1m=体感気温1度低下ではありません。

寒いと感じれば身体は動かなくなり、熱を産生できなくなり低体温症となります。

逆に、体感温度の6要素のリスク管理を行えば低体温症を予防できると言ってもいいでしょう。

そのリスク管理する方法の一つが登山装備です。

6要素を制する登山装備については次の項で説明します。

その前に標高差や地域による気温の差を確認しましょう。

北アルプスの名峰立山3003m、南アルプスの入笠山、丹波の塔ノ岳、東京の高尾山、東京都市部の2023年の気温をグラフしました。

標高や地域によって気温の差がわかると思います。

同じ東京でも東京都市部と高尾山の最低気温差は約9度あります。

立山は約20度の差があります。

東京は暑いからTシャツと短パンで立山に登ると低体温症で行動不能になります。

体感温度の6要素を制する者は安全登山を制する

体感温度は6要素に分類されると先ほど説明しました。

「気温」「風」「湿度」「放射」「代謝」「着衣量」をどのように登山装備でコントロールするのかを説明します。

気温は空気中の温度を示します。なので、ここをコントールする事はかなり難しいでしょう。

気温を変えるには、登る山を変えるしかありません。または、登る時間を早めにすることでコントロールすることができます。

その際は、ヘッドライトが必要になるので、ヘッドライトを準備しましょう。

ピンクテープや目印を見落とさないために、広範囲を照らすヘッドライトがオススメです。

は空気が流れる気流の早さの事です。

先ほど風速により体感温度がかなり変動することを説明しました。

風よる熱放散はすさまじい威力があります。

稜線の風通しが良い場所は寒く感じ、風の無い樹林帯は暑く感じた事があるでしょう。

風対策をせずに30分も歩けば、低体温症になります。

防風対策はしっかりしましょう。

おそらく、ウィンドブレーカーやレインウェアなどは持っていると思います。

忘れやすいのが手袋です。

手もしっかり防風対策をしないと握力が低下します。

そのような状態では思わぬトラブルに迅速に対応できません。

手袋のレイヤリングが知りたい場合はこちらをご覧ください。

湿度が高ければ肌から水分が蒸発しないので、暑く感じます。逆に湿度が高ければ温度が高くてもカラッと気持ちがよく感じます。

山では湿度を変える事は難しいです。

唯一出来る事は暑さで蒸発した水分が山に来る前に行動を開始することです。

早出早着を心がけましょう。

放射とは物体や太陽からの熱エネルギーの事です。登山でいう放射は太陽光が代表的です。

太陽光をコントロールするには日傘が適任でしょう。

日傘は約-10度体感温度を下げると言われています。

登山道の中には平地もあります。その場合、日傘を差すのは決して悪い事ではありません。

むしろ、体力を温存、遭難への予防対策として褒められる行為だと思います。

普段使いもできるおすすめの雨日傘兼用はこちらです。

軽くて大きくてとても便利です。風にも強いので簡単には折れません。

登山しか使わない場合、こちらがオススメです。軽くて耐水圧が20000mとレインウエアレベルです。

ただ、大きいのでかさばります。そして、20000mもの耐水圧はいるのかもやや疑問です。

そういう時はレインウェアを着ます。

個人的にはコンパクトにもあり、普段使いも出来るオールウェザーライトがおすすめです。

身体を動かす事で生じる代謝量をメッツといいます。30分間ランニング行うと理論上、体感温度は40度に達します。

しかし、人間はよく出来ています。

オーバーヒートしないように、呼吸による蒸発や発汗などで体温調整をします。

そのおかげで、実際の体温上昇は1度程度です。

温度をあげない為には、疲れない程度に歩く事です。

辛いと感じると乳酸がたまっている証拠と言われています。

乳酸とは酸素を使わないでエネルギー代謝をした時に排出される老廃物です。

つまり、有酸素運動ではなく無酸素運動に近い状況です。

無酸素運動は簡単に言うと短距離走をしているのと同じです事です。

それだけ、筋肉を動かせば体温も上がります。

寒い時はいいかもしれませんが、夏は体感温度が上昇しやすいので、息が切れない程度にゆっくり動きましょう。

着衣量とは字のごとく、服を着ている量です。つまり、熱抵抗を示し、その値をCol値といいます。

着れば着るほどCol値があがります。Col値が上がれば熱放散がしにくくなります。

剣道の防具はCol値が高く、防具着用時の体温は39度まであがるそうです。

熱抵抗が高く、熱放散がしにくいからです。

一方、裸はCol値0です。熱抵抗が低く、熱放散しやすい事がわかります。

夏は肌の露出を増やし、冬は肌の露出や重ね着(レイヤリング)で熱放出を押さえる事が対策となります。

防寒着のレイヤリングの方法はこちらをご覧ください。

季節別の登山装備紹介

山の天気について理解できたと思います。

ここからは山の季節毎に変わる天気をお伝えします。そして、どのような登山装備が必要になるのかを紹介します。

日本の季節は春、夏、秋、冬に分かれているので、四季に合わせて記載します。

春山(3~5月)

春山の天気

長い冬から少しずつ日が延びてきて、心地の良い季節になってきます。

しかし、山はまだ冬山の姿を残しています。

また、気象遭難が起こりやすいのも春山の特長です。

それにより春山といえども、登山装備は冬山に近い内容となります。

春は上空の流れが激しいため高気圧や低気圧が西から東へ次々と移動していきます。

そのため、他の季節と比べて天気の変化が早くなります。

低気圧が日本海側に発達しやすく、山の天気は大荒れになりやすいです。

低気圧が850hPaで-6度以下の場合、山岳地域では雪になる可能性が高まります。

低気圧が一日で24hPa以上低下する場合は「爆弾低気圧」という気象遭難を引き起す低気圧へ姿を変えます。

この爆弾低気圧により「疑似天候」も発生しやすいです。

疑似天候とは南側に主力の低気圧がありつつ、日本海側にも低気圧がある場合に生じます。二つ玉低気圧ともいいます。

二つの低気圧に挟まれて一時的に雲が消えて晴れに見えますが、それは一時的ですぐさま悪天候に逆戻りします。

この疑似天候にて多くの気象遭難が起きています。

春山にはこのような特徴があります。

晴れの日もあれば、突然雪に変わり、大荒れの天気にあることもしばしばあります。

実際、私も春山の洗礼を受けました。

5月GWに涸沢と蝶ヶ岳に登った時に起こりました。

初日は晴れでしたが、蝶ヶ岳へ向かう途中から一点猛吹雪になりました。

翌日も雪はやむこと無く降り続け、あわや遭難となるところでした。

この日も日本海側に低気圧があったので、それが影響したと考えます。

春の登山装備が1番難しいと思います。

春山の八ヶ岳やアルプスに登るならこの装備

登山装備イメージ

八ヶ岳は5月ぐらい、アルプスは6月ぐらいまで雪があります。

春の天気は変わりやすいので、いつ冬山に戻るのかわかりません。

冬山に登るぐらいの装備だと安心です。

また、春のなっても山小屋が開いていない場合が多いです。

水がなく雪を溶かす場合も想定して、バーナーやガス缶、浄水器を持って行きます。

基本的に長袖のベースレイヤーを着用しています。寒ければアクティブインシュレーションを、風が強い場合はレインウェアを更に着用します。

春の登山装備山小屋日帰り
ザック       オスプレーカイト381泊2日だと40L前後がおすすめです
パンツノースフェイス ビックウォールパンツ適度な厚さで春秋に最適です
ベースレイヤーミレー ワッフルウールウールが70%のため暖かく、乾きやすいです
肌着ミレー アンダーウェア汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です
防寒着パタゴニア ナノエアパーカー軽くて暖かく、そして汗抜けのいいアクティブインシュレーションです
バラクラバファイントラック メリノスピン呼吸がしやすいです
手袋(インナー)スマートウール メリノグローブ薄く暖かいので、重ね着がしやすいです
手袋(防水)ファイントラック エバーブレストレイルグローブレイングローブやインナー手袋と合わせてレイヤリング可能
手袋(防水防寒)Black Diamond ソロイストピッケルを使う時は必携品
部屋着(ズボン)Black Diamond ノーションパンツさらっと履けるリラックスパンツ。行動着が汚れてもこれを履いて下山できます。×
部屋着(ベースレイヤー)アイスブレーカー 200 オアシス LS クルー 春はまだ寒いのでメリノウールがおすすめ×
部屋着(ダウン)パタゴニア ダウンセーターフーディ寒い夜でも暖かく過ごせます。×
レインウェアノースフェイス クライムライトジャケット 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。
靴下(厚手)スマートウール マキシマムクッション暖かく履き心地がよいです。
登山靴スポルティバ ネパールキューブGTXずっと雪道を歩いても指先が冷たくないです
アイゼングリベル アイゼン以前よりワンタッチで履きやすくなりました。
ピッケル
(岩稜帯にいくなら)
ペツル サミット初心者でも軽くて扱いやすいピッケルです。厳冬期の岩稜以外使えます。
ヘルメット
(岩稜帯にいきなら)
Black Diamond ヘルメット帽子sサイズの方にはマムートがおすすめです。
ストックシナノ トレッキング ポール ロングトレイル軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。
ゴーグルアックス ゴーグル雪の凹凸も認識しやすいです。
ヘッドライトペツル ACTIK アクティック広範囲を照らします。
バーナープリムス ガスバーナー火力が高く、使い勝手がよいです。
クッカープリムス クッカー容量は900mlと400mlなので雪から水作りも容易です
浄水器ソーヤー ミニ どんな状況でも飲料水を作れます。
ガス缶プリムス ガス缶厳冬期以外は普通のガス缶で大丈夫です
マグカップサーモス マグカップ冷めにくいので、長く暖まれます
保温ボトルサーモス 山専用ボトル休憩時、お湯が飲みたくなります。
ファーストエイドグッズKozy More 救急セット網羅されている応急セットです。
バッテリーAnker Power Bank バッテリー寒くなるとスマホのバッテリーは落ちやすいので必携品です。
歯磨きセットNONIO 歯磨きセット口腔ケアはどこでも大切です。×
汗ふきシートビオレ ボディーシート春でも汗がでます。×
日焼け止めスキンアクア 日焼け止め雪からの照り返しもあるので必携品です。
行動食カルパス個人的にはカルパス、あんパン、ドラーフルーツが鉄板です。

夏山(6~8月)

夏山の天気

梅雨明け前と後では山の天気は全く違う姿となります。

夏の前に梅雨がありますが、梅雨の典型的な前線はオホーツク海の冷たい高気圧と南の熱い太平洋高気圧のぶつかる間にできます。

梅雨の山岳では、前線が南から離れて活動が弱まると太平洋側の山は雨や曇りになります。その一方で日本海側は晴天に恵まれる事が多くなります。

梅雨前線が発達し北上するにつれて各地で大雨が降ります。

梅雨の気圧配置はゆるく天気が読みにくいです。

その場合、気象衛星で雲の流れや発達具合を参考にするといいでしょう。

また、夏型気圧配置は高気圧が東から西へ張り出した形になります。

もっとも安定した気圧配置は「鯨の尾形」のような西側に張り出した気圧が更に北側へ盛り上がる配置をしています。

参考資料:https://www.jma-net.go.jp/fukuoka/kaiyo/tenkou_column2.html

東北南部から九州にかけて広い範囲で晴天になり、山岳地域でも風が弱まりと登山がしやすい気候になります。

一方、冷夏型という気圧配置もあります。

参考資料:https://irokata7.com/2017/08/28/ondankadereika/#google_vignette

これはオホーツク海側から冷たい高気圧が張り出してくると起こります。

北海道や日本海側は晴天が続きますが、太平洋側の山岳地域は曇りや雨になる事が多いです。

ただし、2500m以上の高山になると晴れている事が多いため、冷夏型配置の場合は、北側へ行くほど、また標高が高くなるほど晴天になりやすいです。

また、午後に天気が荒れて、雷雨を伴う積乱雲が発生するのも夏の特徴です。

強い日射がある

上空に寒気が入る

前線が南下する

空気が湿っている

この条件を満たすと雷が起こりやすいです。

雷3日と言いますので、登山前に雷が頻回に発生していたら自分が登っているときも雷が発生すると思っていた方がいいでしょう。

夏山の八ヶ岳やアルプスを登るならこの装備

夏山登山イメージ

梅雨の時期は湿度が高いですが、比較的に涼しい気温です。

八ヶ岳や北アルプスでは最高気温20度を下回っています。

街の気温と山の気温は全く違います。

Tシャツで登山をすると大変な目に遭います。

私は梅雨明けまでは長袖を着用しています。

雨が降る日、Tシャツの上にレインウェアを着ると、生地のない前腕は雨の温度を直接受けます。

これが身体の熱を奪います。着衣量が低いためです。

夏山でも最悪低体温症になります。

暑がりの方はTシャツでもいいですが、山シャツを持参する事をおすすめします。

生地があるのとないのでは雲泥の差です。

夏の登山装備山小屋泊日帰り
ザック          Osprey タロンベロシティ 30軽くて身体のフィット感がいいです。
夏は30L前後でいいです。
パンツノースフェイス ロングパンツ アルパインライトパンツ 薄手ですが破けにくく、歩きやすいです
ベースレイヤーアイスブレイカー スフィア2メリノウールだけど涼しく、防臭性に優れています
肌着ミレー アンダーウェア汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です
山シャツカリマー Yシャツ aerialさっと着られ、襟を立てれば日焼け予防になります。
フリースモンベル クリマプラス100厳冬期以外に使える品です。
部屋着(パンツ)Black Diamond ノーションパンツさらっと履けるリラックスパンツ。行動着が汚れてもこれを履いて下山できます。×
部屋着(上着)アイスブレイカー スフィア2メリノウールは着心地がよいです。×
レインウェアノースフェイス クライムライトジャケット 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。
手袋(インナー)スマートウール メリノグローブ防水手袋と合わせてつけると冷えずに◎
手袋(防水)ファイントラック エバーブレストレイルグローブ防水性に優れています。
手袋(岩稜帯)ノースフェイス グローブ生地がしっかりしているので、岩稜帯に適しています
ヘルメット
(岩稜帯にいきなら)
Black Diamond ヘルメット帽子sサイズの方にはマムートがおすすめです。
靴下スマートウール ハイククラシックフルクッションクルー薄手ですが、クッション性に優れています。
浄水器ソーヤー ミニ沢水でも雨水でも飲料水に変えられます
ストックシナノ トレッキング ポール ロングトレイル軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。
ヘッドライトペツル ACTIK アクティック広範囲を照らします。
ファーストエイドKozy More 救急セット網羅されている応急セットです。
バッテリーAnker Power Bank バッテリー急速充電がスマホ2回分可能です
歯磨きセットNONIO 歯磨きセット口腔ケアはどこでも大切です。×
ボディーシートビオレ ボディーシート汗を拭くだけでもさっぱりします。×
日焼け止めスキンアクア 日焼け止め夏の日差しは強いので、予防をしましょう。×
行動食INゼリー暑くて食が落ちても、食べられます。
天然水携帯しやすい1L細長タイプです。

秋山(9~11月)

秋山の天気

スポーツの秋と言われるほど、運動しやすい季節です。

晴れ間が続きやすく天気も崩れにくいですが、冬に向けてものすごい勢いで天気が変わります。

山によっては雪が降る事もあります。

紅葉など美しい景色を魅せてくれる一方、自然の厳しさを感じる季節で魅力的ではありますが、春に続いて登山装備選びに悩む季節でもあります。

台風の発生は8月に続いて2番目に多い季節です。

台風は高気圧のへりを通って北上します。

なので、8月は夏型気圧配置によって西日本側を通過する事が多いですが、9月になると高気圧の勢力が弱まり東日本に直撃する事が増えます。

当然ですが、台風は近づいている時は登山を控えるべきでしょう。

秋晴れ前に秋雨があります。

典型的な天気図は北緯40度(おおよそ秋田あたり)から北側に高気圧があります。

北海道は晴れている一方、関東から西側は前線の影響で曇りや雨が続きます。

これに台風が重なると大雨になります。

一時的に晴れてもすぐ天候は悪化するので最新の天気予報を確認しましょう。

秋の長雨が終ると待ちに待った秋晴れです。

移動性高気圧でも東西に勢力を大きく帯状に広がると晴れ間が続きます。

この高気圧を帯状高気圧と言います。

ただし、高気圧と低気圧が交互に並ぶと晴れ間は持続せず、くずついた天気になる。

山に乾いた空気を持つ高気圧が通過することで秋が始まり、夏の終わりを告げます。やがて、低気圧が通過すると3000m級の高山には初冠雪が観測されます。

秋山の八ヶ岳やアルプスに登るならこの装備

穂高連峰では9月中旬、八ヶ岳は10月中旬に初冠雪となる事が多いです。

そのため、登ったはいいが装備不十分で下山出来ない事もあり得ます。

秋山と思って軽装で登ると痛い目に逢います。

9月中旬以降の3000m級の山はいつでも冬山になる可能性があると思っていた方がいいです。

ピッケルや12爪アイゼンは不要ですが、チェーンスパイクは必携品でしょう。

秋の登山装備山小屋日帰り
ザック     オスプレーカイト381泊2日だと35L前後がおすすめです
パンツノースフェイス ビックウォールパンツ適度な厚さで春秋に最適です
ベースレイヤーミレー ワッフルウールウールが70%のため暖かく、乾きやすいです
肌着ミレー アンダーウェア汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です
防寒着パタゴニア ナノエアパーカー軽くて暖かく、そして汗抜けのいいアクティブインシュレーションです
バラクラバファイントラック メリノスピン秋は風が冷たくなり、身体が冷えます。
手袋(インナー)スマートウール メリノグローブ薄く暖かいので、重ね着がしやすいです
手袋(防水)ファイントラック エバーブレストレイルグローブレイングローブやインナー手袋と合わせてレイヤリング可能
手袋(岩稜帯)ノースフェイス グローブ生地がしっかりしているので、岩稜帯に適しています
部屋着(ズボン)Black Diamond ノーションパンツさらっと履けるリラックスパンツ。行動着が汚れてもこれを履いて下山できます。×
部屋着(ベースレイヤー)アイスブレーカー 200 オアシス LS クルー 秋は急に冷えるのでメリノウールがおすすめ×
部屋着(ダウン)パタゴニア ダウンセーターフーディ夜でも暖かくいられます。×
レインウェアノースフェイス クライムライトジャケット 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。
靴下(厚手)スマートウール マキシマムクッション暖かく履き心地がよいです。
登山靴スポルティバ トランゴ タワー GTX 秋は冬靴ではなくて問題ありません。
チェーンスパイクスノーライン チェーンスパイク秋山も雪が降る可能性があります。いざという時のため。
ヘルメット
(岩稜帯にいきなら)
Black Diamond ヘルメット帽子sサイズの方にはマムートがおすすめです。
ストックシナノ トレッキング ポール ロングトレイル軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。
ヘッドライトペツル ACTIK アクティック広範囲を照らします。
浄水器ソーヤー ミニ どんな状況でも飲料水を作れます。
保温ボトルサーモス 山専用ボトル秋も寒いので、ほっと一息。
天然水行動時は暑いので、水は必要です。
ファーストエイドグッズKozy More 救急セット網羅されている応急セットです。
バッテリーAnker Power Bank バッテリー寒くなるとスマホのバッテリーは落ちやすいので必携品です。
歯磨きセットNONIO 歯磨きセット口腔ケアはどこでも大切です。×
汗ふきシートビオレ ボディーシート春でも汗がでます。×
日焼け止めスキンアクア 日焼け止め雪からの照り返しもあるので必携品です。
行動食カルパス疲れた身体を癒やしてくれます。
INゼリー暑くてものどごしがよく食べやすいです。

冬山(12~2月)

冬山の天気

雪が積もった冬山は他の季節にはない素晴らしい景色が広がっています。

しかし、「冬山は天国か地獄」という言葉があります。

快晴の場合は天国ですが、猛吹雪になれば地獄のような現実が目の前に広がっています。

低体温症に陥れば、命の危険が迫っています。

この時期は登山装備が一番増える季節です。

冬型気圧配置は大陸から高気圧がはり出すため「西高東低」となります。

それにより、太平洋側は乾燥した晴れ間がある一方、日本海側は雨や雪になりやすいです。

冬型気圧になると日本列島上に等圧線が平均して5~6本かかりますが、それ以上に数が増えると強い風が吹きます。

また、上空の寒気が-33度以下になった場合、山は雪になる可能性が高いです。

春にもありましたが、冬にも疑似天候があります。

疑似天候により過去には大量遭難が起きています。

今まで吹雪いていたのに、突然晴れ間が出てきたら誰でも出発したくなります。

悲しい事にこの晴れ間は2時間ほどでなくなり、先ほどまでよりも強い暴風雨になります。

冬の疑似天候の見分け方として、冬型気圧配置の日本海側に小さな低気圧の有無です。

また、大陸側の等圧線が混み合っているのに、日本海側の等圧線の間隔が広がっている場合も同様に疑似天候になりやすいです。

冬山といえば雪崩です。

雪が積もれば積もるほど、耐えられなくなり雪崩が発生します。

雪崩について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

雪崩に遭っても生還できるように万全の準備で挑みましょう。

冬山の八ヶ岳やアルプスに登るならこの装備

冬山装備イメージ

冬のアルプスに登りたいなら、西穂高丸山や独標、入笠山などがオススメです。

八ヶ岳なら特に蓼科山や北横岳、硫黄岳などがオススメです。

ただし、ここに登る場合は一度夏に登っておく事をオススメします。

冬の八ヶ岳やアルプスで特に注意する事はレイヤリングと雪崩への対策です。

雪崩対策はこちらをご覧ください。

装備は春山と同じです。

冬の登山装備山小屋日帰り
ザック     オスプレーカイト381泊2日だと40L前後がおすすめです
パンツノースフェイス ビックウォールパンツ適度な厚さで春秋に最適です
ベースレイヤーミレー ワッフルウールウールが70%のため暖かく、乾きやすいです
肌着ミレー アンダーウェア汗を素早く吸収し放散するので、汗冷え予防に最適です
防寒着パタゴニア ナノエアパーカー軽くて暖かく、そして汗抜けのいいアクティブインシュレーションです
バラクラバファイントラック メリノスピン呼吸がしやすいです
手袋(行動時)ノースフェイス グローブこれで寒かったら、インナー手袋も追加しましょう。
手袋(インナー)スマートウール メリノグローブ薄く暖かいので、重ね着がしやすいです
手袋(防水防寒)Black Diamond ソロイストピッケルを使う時は必携品
部屋着(ズボン)Black Diamond ノーションパンツさらっと履けるリラックスパンツ。行動着が汚れてもこれを履いて下山できます。×
部屋着(ベースレイヤー)アイスブレーカー 200 オアシス LS クルー 春はまだ寒いのでメリノウールがおすすめ×
部屋着(ダウン)パタゴニア ダウンセーターフーディ寒い夜でも暖かく過ごせます。×
レインウェアノースフェイス クライムライトジャケット 耐水圧はもちろん軽くて動きやすいです。
靴下(厚手)スマートウール マキシマムクッション暖かく履き心地がよいです。
登山靴スポルティバ ネパールキューブGTXずっと雪道を歩いても指先が冷たくないです。
アイゼングリベル アイゼン以前よりワンタッチで履きやすくなりました。
ピッケル
(岩稜帯にいくなら)
ペツル サミット初心者でも軽くて扱いやすいピッケルです。厳冬期の岩稜以外使えます。
ヘルメット
(岩稜帯にいきなら)
Black Diamond ヘルメット帽子sサイズの方にはマムートがおすすめです。
ストックシナノ トレッキング ポール ロングトレイル軽くて長さを調整しやすいです。岩稜以外に必携品です。
ゴーグルアックス ゴーグル雪の凹凸も認識しやすいです。
ヘッドライトペツル ACTIK アクティック広範囲を照らします。
バーナープリムス ガスバーナー火力が高く、使い勝手がよいです。
クッカープリムス クッカー容量は900mlと400mlなので雪から水作りも容易です
浄水器ソーヤー ミニ どんな状況でも飲料水を作れます。
ガス缶プリムス ガス缶厳冬期以外は普通のガス缶で大丈夫です
マグカップサーモス マグカップ冷めにくいので、長く暖まれます
保温ボトルサーモス 山専用ボトル休憩時、お湯が飲みたくなります。
ファーストエイドグッズKozy More 救急セット網羅されている応急セットです。
バッテリーAnker Power Bank バッテリー寒くなるとスマホのバッテリーは落ちやすいので必携品です。
歯磨きセットNONIO 歯磨きセット口腔ケアはどこでも大切です。×
汗ふきシートビオレ ボディーシート春でも汗がでます。×
日焼け止めスキンアクア 日焼け止め雪からの照り返しもあるので必携品です。
行動食カルパス個人的にはカルパス、あんパン、ドラーフルーツが鉄板です。

まとめ

季節毎の天気と登山装備を紹介しました。

季節により、装備品は変わります。

多くても少なすぎても安全な快適な登山にはなりません。

最初は多すぎてしまうでしょう。でも、それでいいです。

山行を重ねるうちに自分の適切の装備が見つかります。

適切な装備を持ち、安全に登山を楽しみましょう。

あなたの山行の一助になれば幸いです。

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