北アルプスの女王と呼ばれている燕岳。
確かに、名の通り美しさと気品を兼ね備えている素晴らしい山です。日本二百名山なのが不思議なくらいです。
それぐらい多くの人を魅了している山です。
しかし、北アルプスの女王以外にも名を持っています。それは「北アルプスの三大急登」です。
北アルプスには大小合わせて64の山があります。その山々の中には険しい道もあれば、急登もあるでしょう。
それなのに、三大急登に選ばれるという事はなめてはいけないと言うことです。しかし、燕岳は三大急登と言われていますが、北アルプス初心者コースとされています。
確かに、初心者コースです。
道は一本道しかないので自ら道を外れない限り遭難するリスクもありません。
なので、燕岳は急登さえ乗り越えれば小学生でも登れる山です。(実際、小学生が登っていました)
そこで、三大急登を突破するためのアイテムを紹介します。
それはトレッキングポールです。
なんだよ、トレッキングポールかよって思うでしょ?
バカニスルナカレ。
トレッキングポールって頼っているみたいでなんだか・・・。そんな弱くないし。
カンガエアラタメヨ。
登りはいいですが、下りで膝を痛めたことはないですか?
登山の次の日に筋肉痛でひどい目にあった事はないですか?
その悩みが解消され、次の日から普通に生活できるありがたい登山アイテムなのですよ。
このブログでは「シナノのロングトレイル」というトレッキングポールを燕岳で使ったレビューになります。
また、燕岳の登山道の様子や絶景ポイントなども合わせてご紹介します。
このブログを見たあなたはきっと燕岳に行きたくなるに違うありません。
皆様の素敵ライフの一助になれば幸いです。
「登山をした次の日も普通の生活を送れる身体へ」by sakizaki
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
イメージ動画
燕岳の登山ルートのイメージ動画です。初めて燕岳を登る方は是非観てください。
急登のイメージをつけることができると思います。
なぜシナノのロングトレイルを選んだのか
シナノは創業100年以上の日本企業です。
日本人の体型を研究し続け、日本人にあった杖を開発しています
杖やポールに関してプロ中のプロです。
という、安心がベースにありました。
使いやすくて、そこそこ軽くて、そこそこ安い。そんな都合のいいポールを探していたらシナノさんにありました。
シナノのロングトレイルは伸縮タイプです。留め具でパチンっと固定すれば長さを調整できます。
中にはくるくると留め具を緩めて長さを調整する伸縮タイプがあります。
これはかなり面倒くさい。
カメラの三脚もくるくる留め具を回すタイプと留め具をパチンと固定するタイプを持っていますが、圧倒的にパチン留め具タイプは楽です。
厚手の手袋をつけていてもやりやすいです。
というわけで、くるくる留め具タイプのトレッキングポールは除外されます。
次は重量です。
材質はアルミ、カーボンの二つが主流です。
アルミになれば重いけど、値段は安い。
カーボンは軽いけど、値段は高い。
その間が欲しかったです。
ロングトレイルは超軽量アルミなので、重さも値段もちょうど真ん中の商品です。
手が出しやすく、重さも扱いやすい。
このような理由で「シナノのロングトレイル」を選びました。
私の身長は155cmです。シナノのロングトレイルの115がちょうど良いサイズです。サイズ選びの参考にしてください。
素材:アルミorカーボン
スタイル:くるくる留め具orパチン留め具or折りたたみ式
コスト:アルミ(安い)orカーボン(高い)
強度:折りたたみ式(劣る)orアルミ(やや劣る)orカーボン(強い)
重さ:カーボン(軽い)orアルミ(重い)、くるくる留め具(軽い)orパチン留め具(重い)
使いやすさ:パチン留め具一択
燕岳&北燕岳&ちょっと大天井岳へのルート
駐車場と登山口
土曜日の夜中0時に到着しました。
第1駐車場は満車、第二駐車場も満車。
有明荘の隣の第三駐車場へ向います。
この時はまだまだ余裕はありました。
しかし、続々と車が止まる音がします。
朝4時は第三駐車場も満車で引き返す車もいました。
後々、思うと第三駐車場でよかったなと思います。
第一駐車場よりもトイレは綺麗だし、有明荘が隣だから登山後に荷物を置いて温泉へ行けます。
登山口まで約10分程度で、第一駐車場と5分程度しか変りません。
ならば、トイレの衛生面や車の移動の手間を考えると第三駐車場は穴場だなと思います。
登山口は看板が変っていました。
新しく作られたようです。
前の看板も味が合って好きでした。
さて、トイレも済ませたので行きます。
登山口にも駐車場はありますが、温泉利用者のみです。登山者は使えません。
ただ、一日5000円払えば駐車できるみたいです。
5000円・・・。却下。歩きます。
温泉利用者の駐車料金はわかりません。
第1ベンチまでの道のり:朝一しんどい
登山開始してすぐ急登が待っています。
これがかなりしんどいです。
身体がまだ慣れていない所から始まる急登。
しんどい。
なんども足を止めてしまいます。
でも、トレッキングポールがあるのでいくぶん楽です。
4つ足歩行で歩いているというイメージです。
4つも足があれば体重も分散できますよね。
分散できれば、足にかかる負担もかなり軽減できます。
単純計算、トレッキングポールがないと片足で全ての体重がのしかかります。
トレッキングポールがあれば、3/4で支えるので、片足にかかる体重は50kgなら12.5kgです
トレッキングポールすごい。
昨年も燕岳へ登っているのですが、その時よりも10分ほど早く登れています。
恐るべし、トレッキングポール。
30分ほど歩くと少し平坦になります。
でも、ベース急登は変わりありません。
第2ベンチまでの道のり:ずっと登るね
階段はありがたいのですが、足を持ち上げるのがしんどいです。
しんどいしか言っていないですが、本当にしんどいですね。
しかも、ここの第一から第二ベンチの間はまだ人が分散されていないので、追い越し追い抜かれを繰り返し自分のペースでは歩けません。(休日祝日のみだと思いますが)
それも大変と感じる理由だと思います。
第一ベンチまでの道を比べて、少し平坦な道もありました。
こういう道で少し小休止をしました。
第3ベンチまでの道のり:もう駄目かも
第二ベンチを通り過ぎると気持ちのいい尾根歩きがありました。
今までずっと樹林帯の急登ばかりだったので少しわくわくしました。
葉っぱや花が増えてきました。
「どこの急登が一番つらいですか」という質問をされたら、答えは簡単です。
「全部です!!!」
どれも甲乙つけがたい急登です。
なので、全て同じレベルの急登がずっと続くというイメージです。
こんなに辛い、辛いと言うのに、何故登山をするのですか?
それはね、
登れば登るほど、大絶景に出会えることを知っているからだよ
と言いたいです。
第三ベンチまでの道のりでようやく景色らしい景色が観られました
これを観るともっと登れば素敵な景色を観る事ができるなと思わされます。
頑張っちゃいます。
でも、疲れてはいます。
ずっと登りですからね。
富士見ベンチと合戦小屋まで:マジ本当にしんどい
第三ベンチから富士見ベンチ、富士見ベンチから合戦小屋まではそれぞれ約30分程度です。
でも、第3ベンチから富士見ベンチまではまあ頑張れますが、富士見ベンチから合戦小屋は疲労も溜まっているので大変でした。
花崗岩が砕けたような砂もあり、ザレザレして歩きにくかったです。
こんなよじ登らないと登れないような急登もあります。
階段まで60cmぐらいあるのでそこまで、足を上げないと登れないのです。
こんな感じで登りました。
少し道の様子が変ってきました。こんな岩場を登りました。
ここまでくれば後もう少しで合戦小屋です。
合戦小屋:やっぱりスイカだよね
やっとつきました合戦小屋。
本当に嬉しいです。
ここでしっかり休憩をとります。
トイレもここにしかないのでしっかり済ませてから行きましょう。
ここまで大量の汗をかいているでしょう。
汗冷えをしないようにしっかり服をきましょう
この時期はフリースでもいいのですが、山シャツでもいいかもしれません。
おすすめは「山と道」ですが、売り切れが続いています。
そこで、ミレーのシャツは速乾効果もあるので、汗を吸ってもすぐ乾きます。
汗をかくと塩分も損失されます。
なので、水だけ飲んでも駄目です。
しっかりと塩分をとらないとミネラル不足になります。
なので、ここでスイカを食べる意味を非常にあります。
スイカのほとんどは水分です。そこに塩をかけて食べる。
とても理にかなっていますね。
合戦尾根から燕山荘:素敵な稜線歩き
休憩もしっかりしました。
山頂まで後90分です。
頑張りましょう。
ここからは今まで違い少し楽しさも出てきます。
少し登ると出てきました。
槍ヶ岳!!
槍ヶ岳のすごい所は誰でも観れば槍ヶ岳とわかること
あれは何山だっけ?と考える事なく、見た瞬間にあれは槍ヶ岳だ!!となります。
知っている山がみえると嬉しいですからね。
私もここで「あ、槍ヶ岳だ!!!」とはしゃぎました。
まあ、私だけではなく、ここを通って方は槍ヶ岳に気付いていました。
みんな「あ、槍ヶ岳だ!!!」ってなっていました。
さて、一生懸命登って、ふと上を見ると合戦沢ノ頭につきました
そして、燕山荘も観ます
あと少しだ。頑張りましょう。
トレッキングポールのおかげでまだ足の筋肉や膝の痛みはありません。
トレッキングポール様々です。
登山者の多くはトレッキングポールを使っていました。
年配の方から明らかに自分よりも若い人まで。約7割はトレッキングポールユーザーですね
店の人もこれからはトレッキングポールを使うのが主流となると言っていました。
さて、稜線が近づいています。
綺麗ですね。
視界を遮る木々がなくなり、ハイマツが主となります。
横を見れば槍ヶ岳を含む飛騨山脈。
後ろを見れば今まで歩んできた道のり。
前を向けば希望と絶望の急登。
・・・・。
先ほどの「一番辛い急登はどこですか?」の質問に答えましょう
燕山荘直下の急登です!!
でも、ここを登ればゴールです。
もう重たい荷物で急登を登らなくていいのです。
頑張りましょう
格闘する事約30分。ようやく燕山荘に着きました
テントを張って昼ご飯
まずはテントを張ります。
今は6月中旬です。
テント場にはまだ雪が残っています。
雪用ペグが無くても、岩がゴロゴロと落ちているのでそれを使いました。
夜風がすごくてロープがペグから抜けていました。
岩にくくりつけていたのは大丈夫でした
ペグよりも岩の方が良さそうです。
さて、雪をならすためのスノーシャベルを持ってきていないので、足でどうにかしました。
持ってくれば良かったと反省。
雪上テント設営にはシャベルが必要だと痛感。
斜度を直すだけで、寝心地が天と地ほど差があります。
ブラックダイヤモンドのスノーシャベルは約500gです。
ペットボトル一本分です。そこまで荷物になりません。
持ってくれば良かったな。。。
気を取り直してご飯を食べましょう。
燕山荘のカレーを食べました。辛みもあり美味しかったです。
ただ、蛭が岳のカレーのうまさを抜く事はできません。
ただいまのカレー選手権
1位:蛭が岳山荘
2位:燕山荘
3位:赤岳鉱泉
燕岳と北燕岳:気持ちのいいハイキング
さて、いよいよ燕岳へ向います。
ここの景色を観るために辛い急登を登ってきました。
何回観ても飽きない景色ですね。
花崗岩(かこうがん)がまたなんともい言えない奇岩です。
後ろを振り返れば燕山荘があります。
どこを観ても絵になる景色ばかりです。
燕岳は燕山荘から約30分。北燕岳は燕岳から約15分。往復90分ほどになります。
水分とお菓子をアタックザックに入れて出発です。
気分はハイキングです。
とても楽しいです。
高低差はほとんどなく、足にも負担がかからないためトレッキングポールは置いていきました。
できれば、雷鳥に会いたいけど、昼間の時間はよっぽどの事がないと出てきません。
そりゃ、暑いから出たくないですよね。
私も暑いのは嫌ですもん。
燕岳山頂直下はやや登ります。
ここを頑張って登り切ると山頂です
山頂は5~6人で一杯になる程狭いです。
譲り合ってピークハントをしましょう
さて、次は北燕岳です。
これ以降は人が少ないです。
だって、私も今回北燕岳の存在を知りました。
なんとなく燕岳で終了と思っていました。
こういう人が多いので(笑)人がいないのかも知れません。
なので、歩きやすいです。
北燕岳からは燕岳しかり、飛騨山脈、立山、富士山など色々な山を観る事ができます。
山脈360度ビューを体験する事ができます
燕岳の夜:天の河が美しい
さて、夕食はロコモコを作りました。
どんなできばえなのかは動画をご参照ください。
さて、夕食も食べ、夕陽も観たら、次は星空です。
第三駐車場では素敵な天の河を観る事ができました
下界でこれぐらいみえるので山頂ではもっと素晴らしい景色が観れるでしょう。
わくわく
さて、夜23時になりました。
燕岳の方まで歩きます。
燕山荘と天の河を撮影したいと思います。
では、こちらをご覧下さい。
下界がまだ明るくて中々上手く撮れませんでしたが、まあいいでしょう。
天の河も観れましたし。
満足です。
もし、星空の取り方やタイムラプスのやり方が知りたい方はこちらのブログに記載しています。
ご参照下さい。
さて、明日の朝日の為にもう少し寝ます。
朝日を観ます:朝から雷鳥?
朝の4時です。
3時ぐらいから冷え込み寒かったです。
銀シートは挽いていましたが駄目でしたね。
次は銀マット&エアマット&シュラフで行ってみたいと思います。
さて、朝日を観るために燕岳へ向う途中。
「グー」という鳴き声が
これはまさか!?雷鳥!?
その通り、雷鳥がいました。
かわいいですね。燕岳とツーショットを撮りました
燕岳を背にすると左側が東側になります。そちら側がうっすら明るくなっています。
もうすぐ日が出ます。
西側には飛騨山脈があります。
モルゲンロートを観られないか期待しましたが、観られませんでした。
秋や冬など太陽の傾斜が低い方がみえるのでしょうか
残念。
涸沢のモルゲンロートが観られたのも秋だったので、秋がいいのかもしれませんね
これを燕岳で観たいので、また秋に来ましょう。
ちょこっと大天井岳へ:雷鳥祭!?
本当は大天井岳へ行く予定でしたが、予定が出来たので行けなくなりました。
そこで、下見ついでに大天井岳までの稜線を少し散歩する事にしました。
これはすごい。
一度は行くべき稜線ですね。
ずっと続く稜線。少しアップダウンはあるけども気持ちよく歩く事ができます。
槍ヶ岳にどんどん近づいている迫力感。
なかなか味わえないですね。
燕岳が人気な理由がわかります。
色々な山へアクセスしやすいし、その道中も楽しいです。
やみつきになりますね
この景色をみて次は大天井岳まで歩こうと決めました。
さて、帰りますか。
と、歩いていると雷鳥がいました!!今日で2回目です。
やっぱり、可愛いな。
もっと、アップで観たいな。
と、言っていると。
でた、雷鳥。次は雌だ!!
結構近くで見れました。
朝の8時ぐらいです。
この時間はお食事タイムなのかずっと木の芽を食べていました
いやーこれ以上は目の前に現れない限り満足しないねと話していたら、
出てきた、雷鳥!!
本日で4回目ですよ。
やはり、燕岳は雷鳥出現確率は高いですね。
こんなにも人がいるのに逃げないから、おっとりした性格なんでしょうね
さて、満足しました。
気を付けて下山していきます。
下山
下山でもトレッキングポールを使いました。
足の踏ん張りがきかなくなっていたので、トレッキングポールがあってよかったです
こけそうになってもポールのおかげで踏ん張ることができます。
登りの筋肉疲労の軽減はもちろん、下山時にも大いに役立ちます。
これにより、次の日は普通に生活をする事が出来ました。
膝の痛みもありません。
まだ、トレッキングポールを使っていない人はお試し下さい。
駐車場とトイレ事情
駐車場は第1駐車場から第3駐車場まであります。
おすすめは第3駐車場です。
有明荘が近い事、仮説トイレが比較的綺麗な事が理由です。
いずれの駐車場も無料です。
登山口目の前の駐車場は5000円かかります。
6時からしか停められないですが、確実に停めたい人は試してみてください。
トイレは登山口と合戦小屋、燕山荘にしかありません。
まとめ
いかがでしたか。
北アルプス三大急登は噂以上です。
登山後も普通の生活が送れるように、登山中から身体のメンテナンスを考えましょう。
その一つがトレッキングポールの使用です。
四つ足歩行になったと思えば、どれほど足の筋肉の負担軽減になったか想像しやすいですよね。
もう片足に任せずに登山をしましょう。
そして、絶景に会いに行きましょう
では、またいつかどこかで。
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