日本で一番高い山は富士山です。さて、二番目に高い山はどこでしょうか?
そう、「北岳」です。ちなみに、同率三位は北岳のお隣に位置する「間ノ岳」です。
北岳、間ノ岳、さらに農鳥岳を合わせて白根三山といいます。
日本第二位と第三位の山を結ぶ稜線は日本一高い縦走路です。
それがどれほど素晴らしい景色なのか。おそらく、実際の景色は想像を超えています。
これは確信をもって言えます。
登山をしているならば、一度は見るべき景色です。絶景です。
北岳山頂か見える間ノ岳、そして農鳥岳へと続く天空の縦走路の雄大さは言葉になりません。
これが観てみたくて登ったと言っても過言ではありません。
さて、めちゃくちゃ勧めてしていますが、おいそれと簡単にいける山ではありません。
なぜならば、3000mを超える山であること、岩場や断崖絶壁の道があること、急なザレ場がある事などなど。不安要素は数えきれません。
不安要素を抱えながら登れば最悪な結果が待っています。
このブログを読んで、少しでも不安要素が軽減できればと思います。
また、小屋泊がいいのか、テント泊がいいのかも悩んでる方にもsakizakiの個人的な見解ですが、お伝えします。
では、皆様の山行計画の一助になれば幸いです。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
イメージ動画
北岳と間ノ岳のイメージ動画です。約7分の動画です。サクッとイメージをつけたい方はこちらをご覧ください。
前編と後編があります。前編は北岳まで後編は間ノ岳から八本歯のコルと左俣ルートのイメージ動画になっています。
【前編】
【後編】
北岳&間ノ岳のルート
広河原の登山口:最初からしんどい
市営芦安駐車場からバスで揺られること1時間。広河原バス停に到着しました。
これからいよいよ北岳と間ノ岳を登っていきます。約1500m登ります。わくわくとドキドキの半々でしょうか。
ここからも北岳がみえます。写真の真ん中、1番置くの岩がむき出しになっている山が北岳です。下の方にある白いモノは左俣の雪渓だと思われます。
さて、広河原バス停から右方向へ進むとゲートが出てきます。ゲートを通り抜けると橋が出てきます。
橋を渡り進むこと約5分。早くも登りとなります。最初は体力もあるから、なんとも思いませんが、少しずつ気づいてしまいます。
とてつもない坂道が永遠と続いていません?って事に。
この写真を見てください。上の方に人がいるのがわかると思います。
ずっとずっと上まで人がいます。「あそこまで登るのか?」とぎょっとします。
急勾配の道もあります。全身を使わないとこの坂は登れません。
多くの登山者はトレッキングポールを使っていました。それはそうですよね。これは膝・足にきます。
当然、私達もトレッキングポールを使っていました。シナノのロングトレイルを使いました。日本人の体型に合ったトレッキングポールなので使いやすいです。
概要はこちらのブログをご覧下さい。
白根御池小屋までにベンチが2カ所あります。
仮に第一ベンチと第二ベンチと名付けましょう。
第一ベンチは約1時間で到着します。ここまでがかなりしんどいです。登り初めで身体が慣れていないのもありますが、単純に坂が急です。
ちょうど1時間なのでここで休憩を取りました。結構開けた場所ですし、ベンチや丸太もあるので、休憩しやすかったです。
休憩を取ったらまた登ります。
樹林帯なので景色は楽しめません。ただただ、登るのみです。第二ベンチをちょっと過ぎたら少し楽になるそうです。
そこまで頑張ります。
前回、北アルプスの燕岳へ行きました。そこの山道と比べるとマシですが、一生懸命&必死に登らなくてはならない山なのは確かです。
ただ、登りにくい箇所には梯子が整備されているので、ありがたいです。
まあ、整備された梯子でも急なもんは急なんで、しんどさはありますけどね。絶景を観るために頑張って登ります。
おそらく、70歳代であろう大先輩は息を切らさず、スイスイ登っておりました。
さすがです。
この看板を過ぎると平坦な道になります。
景色も少し見えるようになりました。木々の間からわずかに北岳がみえます。
バス停で観たときよりも近づいています。少しテンションが上がりますね。
平坦な道になり、スイスイ進んでいくと次は落石注意ゾーンに突入します。
落石注意の看板もあります。そこには「素早く通り過ぎて」と記載してあります。
確かに、ゴロゴロ岩が沢山あり、道は崩落していたりと中々デンジャラスな道です。
そこを通り過ぎると川が出てきます。
今まで汗だくで歩いてきたので、恵みの水です。木道もあり良い雰囲気の場所です。
ここの道を通り過ぎると、もう少しで白根御池小屋に着きます。やっと一休みができますね。
頑張りましょう。
白根御池小屋:まだ遠い北岳
念願の白根御池小屋です。ここでは、トイレ休憩も兼ねています。
仮設トイレなので、綺麗とは言えないトイレですが、ないよりはマシです。
むしろ、山でトイレできるのはありがたいです。
小屋では食べ物の他に美味しそうな甘味も用意されていました。
登り途中なので、注文はしなかったですが、下山時は検討してもいいかもです。
さて、目指す北岳はどこかな・・・。
あ、あった・・・。
おほほほ、遠いわね。でも、確実に近づいています。
天気もまだ大丈夫そうなので、綺麗な縦走路に期待です。
草すべり:登れども登れどもつかぬ
噂の草すべりです。
どんな噂があるかと言いますと「急な登り」で有名なのです。
肩の小屋に行く稜線に出るには、草すべりか右俣ルートの二択です。
草すべりは急登だが、短時間で到着します。右俣ルートはやや緩やかなルートだが、時期によっては雪渓があります。
どちらも一長一短なので、体力と好みで選んで下さい。
私達は早く到着したいので、草すべりを選択しました。
さて、草すべりがどれぐらい急登なのかをご紹介します。
登れども、登れども全く到着しません。ずっとこの景色が目の前にあります。
数十歩進んでもこの景色が変る事はありません。ほんと、悲しい。
ただ、後ろを見ると鳳凰三山が目の高さに近づいていきます。嬉しいですね。
今度は鳳凰三山から北岳や間ノ岳を観たいですね。
頑張って登ると、木々も少なくなってきました。森林限界の標高が近づいてきます。ここまで来るとぐっと景色も良くなります。
遮るモノはなくなります。
ここからは更に登山が楽しくなります。
ここは右俣ルートとの分岐です。もうすぐで稜線にでれると思うと元気になります。
まだ、天気はいいです。雲も少ないです。頑張れ天気、頑張れ、自分。
稜線までの道は岩と砂利のミックスです。
歩きやすいとは言えませんが、ザレ場のような一歩進んで半歩下がる様な道ではないです。
歩けば確実に上に行けます。
たまに見せる高原植物が私達を癒やしてくれます。7月中旬は花の全盛期。良い時期に来ました。
稜線:山は最高だ
やっと稜線にでました。この景色に会いたくてここまで頑張って登りました。もっと登れば、もっといい景色が観られると思うとテンションがあがりますね。
ここからは、山々のトラバース道になります。
こんな道や
こんな道を歩いて行きます。
この道がまた気持ちの良いこと。遮るモノが何もなく、仙丈ヶ岳を横目に北岳を目指して歩きます。
ただ、
写真でもわかるように岩の登りがあります。ここが岩稜の第一核心です。
今まで平坦で楽しい山道でしたが、ぐっと登りに転じます。
ゆっくり登れば大丈夫です。しかし、道は小石などもあるので落石に注意しましょう。
北岳、肩の小屋:北岳に登る前に休憩
一山を越えたらあと少しで肩ノ小屋です。
「肩ノ小屋はまだみえないのか」とぶつぶつ言っていると突然現れます。
みえるんだけど、遠い。山あるある。
歩いても歩いても中々到着しない。風景はあまり変らない。この永遠終らないスパイラルから抜け出すためも、無心で歩きました。
無心で歩いて、はい。到着しました。
今は2023年7月です。昨年かいつかに新装開店したため、とても綺麗になっています。
宿泊はしていないので、小屋の中は見ていないですが、中もかなり綺麗みたいです。
昔は、雑魚寝で中々趣ある室内だったようでうが、今はそれすら思い出せないぐらい綺麗との事です。
一度泊まってみたいですね。
ちなみに、テント場はこんな感じです。雰囲気ありますよね。日傘を差している人もいるのいで、風の心配はなさそうですね。
ここも、一度は泊まってみたいですね。
さて、ここでロング休憩をしました。ここから北岳まで約40分、北岳山荘まで2時間ぐらいあるので。
写真では晴天ですが北岳山頂付近はガスガスです。
時間経過で晴れたり、ガスったりしているので、山頂で絶景をみるチャンスはあると思っています。
さて、いよいよ、北岳に向けて出発です。
北岳までの最後の登り:日本一の縦走路を是非
さて、出発です。肩ノ小屋から眺めても、北岳までの道は険しく急である事がわかります。
ただ、みえている山は山頂ではないんです。登って更に登らなくてはなりません。
この時、その事に気付いていなかったので、何度も偽ピークに翻弄されておりました。
さて、少し登るとご褒美絶景がありました。
登りましたね。肩ノ小屋がもうあんなに小さくみえます。
改めて、思いますが、よくこんな場所に小屋を建てようと思ったし、よく建てる事ができたなと思います。
山小屋がある事で私達登山者は快適に登山を楽しむ事ができています。
その思いは忘れずに、いつまでも山小屋が運営できるように、適切な金額は支払わなくてはならないと思います。
ここの山小屋もそうなのかわかりませんが、テント泊だと山小屋の儲けにならないそうです。トイレ代に莫大なお金がかかるそうで、それに消えてしまうそうです。
テント泊大好き人間としては痛い話です。
しかし、私にできる事もあると思います。募金とか。時たま小屋泊とか。そういうところで貢献したいと思います。
話がかなりそれました。岩場をひたすら登ります。遠くから観ているよりも意外に登るのは難しくはありません。
矢印もついているので、どこに進めばいいかはわかります。
それに、めちゃくちゃ人がいるので、遭難する事はなかったです。
ただ、これが濃霧だったら話は違います。どこも道にみえるし、どこも道にみえない。そういう状況に陥ると思います。
道だと思ったら、崖だったという事にならないように、矢印や目印を見付けながら歩きましょう
一山登ったら、やっと北岳山頂が遠くの方にみえました。
人がいっぱいいるところが山頂です。
トラバース道が簡単そうに見せますが、歩くと登りだし、大変です。
日本第2位です。標高も上がっているので、酸素飽和度も下がっています。
はやる気持ちを押えながら、慎重に山頂を目指して歩を進めました。
そして、ついに、山頂です!!
やった!!登頂しました。約6時間半で到着しました。
さて、山頂も嬉しいのですが、お目当ての縦走路を観に行きましょう。
うひょー。とてつもなく絶景ですね。
これ以上高い場所に縦走路はありません。ここが1番高い縦走路です。
そう思うと感慨深いですね。この感動が他の方々にも届くといいなといつも思っているsakizakiです。
さて、現在13時です。少しやばいですね。今日は間ノ岳には行けないので、明日にしましょう。
という訳で、15時目指して北岳山荘に向います。
北岳山荘まで:激下り
あんだけ登りました。そしてら、下りますよね。
はい、くだります。激下りです。
しかも、ザレザレのザレ場なので、滑り落ちそうです。
わかりますか?この高度感と斜度感。足を踏ん張らないとすってんころりんしそうです。
先の方に赤い屋根がみえます。
そこが北岳山荘です。
「まじか・・・。」と絶句してしまいそうなぐらい遠いです。
しかし、景色は抜群にいいですよね。早く着いて欲しいと思いますが、この景色を楽しみたいとも思います。
間ノ岳への縦走路も近くにみえますね。かっこいいですね。
北岳山頂から約90分で北岳山荘に到着しました。
約300mほど降りてきました。後ろを振り返ると北岳がどーんっとみえます。
さっきまであそこの1番高い場所にいたかと思うと感動しました。自分、よく頑張ったなと自分を自分で褒めました。
北岳山荘は大部屋にアクリル板?で仕切りをしています。涸沢ヒュッテや蝶が岳ヒュッテのように個室感はありません。
なので、いびきは部屋に響き渡り、人のがぞごそは間近に聞こえ、「あー昔の小屋泊ってこんな感じだったな」と思い出しました。
ご飯は普通に美味しかったです。ご飯、味噌汁はおかわり自由です。
さて、明日は星空を撮影した後に間ノ岳に向けて歩くので、早めに寝ます。
間ノ岳へ:夜明け前ハイク
星空はいいですね。新月だから星がよく見えました。
ただ、雲が出てきたので、満天の星空タイムは短時間で終了しました。
星空の撮影方法やタイムラプス方法はこちらのブログに記載しているので、参考にしてください。
星空も観る事ができて満足です。さて、間ノ岳に向けて出発です。
暗闇ハイクなので、道がわかりづらいですね。遠くの方にうっすらトラバース道はみえるのですが、近くに来るとわかりづらい。
フラットな道ならば良いのですが、少し岩場になると上に行けば良いのか、下に行けばいいのかわかりません。
ただ、片側は崖の道です。下に行けばだいたい崖へ進む道です。
迷うカ所には矢印や目印があるので、探して確証を持って進むことをおすすめします。
どれほどの暗闇なのかは動画でご確認下さい。
この写真は帰りに撮影した写真ですが、こんな山道や、
あんな山道がありました。
間ノ岳直下に到着した時に、太陽の光が徐々にでてきました。嬉しかったですね。暗闇へ差し込む太陽の光。安心しました。
さて、ここまでくればあと少し。頑張りましょう
AM3時に出発して、AM4時30分に到着しました。絶景です。
北岳、富士山、農鳥岳、その他あまたな山を観る事ができます。間ノ岳に登ってよかったです。
八本歯のコルと左俣ルート:緊張感続く道
今日は午後から天候が崩れる予報です。瞬間風速17mとか濃霧になるとか、不吉な予報ばかり。
さっさか帰りましょう。
ただ、来た道で下山するのは嫌です。だって、北岳を登って下って帰らなければなりません。
そこで、北岳をトラバースする八本歯のコル、左俣ルートで帰る事にしました。
北岳山荘のテント場から道があります。そこから下山する事にします。
北岳直下に八本歯のコルとの分岐点があるので、そこまで登ります。この写真は昨日の北岳から下りたときに取った写真です。
この先に八本歯のコルに行く道があります。
そこまで一生懸命登ります。
ハイマツの森を進んでいきます。霧はありますが、それも幻想的で楽しかったです。
振り返ると北岳山荘がみえます。
さて、分岐点に到着しました。ここのトラバース、道はお花畑でとても綺麗でした。
しかし、その穏やかな時間はすぐに消えてなくなりました。
丸太道、岩場、丸太梯子、河原&雪渓がこれから次々と待ち受けていました。
こことか。
ここも。
ほぼ90度丸太梯子とか。
雪渓残る河原とか。
いやはや。なかなかの道でした。
これらの写真は一部でしかないですが、このような緊張感ある道を永遠4時間歩くと思って下さい。
ここの左俣ルートは北岳に行く最短ルートです。
その分、急登が続きます。
時間を取るか、道を取るかですね。
お昼近い時間にこの道を歩いている健脚者が多数いました。さすがです。
北岳は小屋白かテント泊か
結論から言います。
初めて北岳に臨む方は小屋泊をおすすめします。
なぜならば、テント泊装備で登山口から肩ノ小屋まで標高差1500mを登るのはかなり体力を要するからです。
肩ノ小屋は3000mに位置しています。距離も5kmあります。
燕岳は登山口から標高差1200m、距離は4kmです。何回も登った事もある燕岳でも大変でした。
なので、初めてでどんな山容かわからない、しかも3000m級の山にテント泊で挑むのはおすすめはしません。
どんな山で、どんな道なのか登ってからテント泊をする事をおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。少し北岳&間ノ岳のイメージがつきましたか。
北岳&間ノ岳は素晴らしい山です。
是非、登ってあの景色を観ていただきたいと思います。
ただ、簡単に登れる山ではないです。仮にも第2位、3位の山です。
事前準備を充分にしてから挑んで下さい。
では、またいつか。
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