冬山・雪山で「手」を冷やして、辛い思いや残念な経験をした方は多いはず。
例えば、
スマホで思いでの写真を撮ろうと手袋を外したら、手が冷えてしまい写真が撮りたくても撮れない経験をしたとか。
「どんな手袋でも大丈夫だろう」と冬山・雪山登山を甘く見て登った結果、雨風が強く手が濡れて冷えに冷え、冬山・雪山登山が嫌になったとか。
冬山・雪山登山の「手」に関する悩みはつきものです。誰しもが一度は悩みます。
その悩みは「手袋の活用方法」で解決できます。
私は何度か冬山・雪山を登り実際に痛い目も経験しました。そこから学んだ事をお伝えする事が出来ます。
このブログを見る事で、寒い思いをしてスマホを触らなくて済みます。
好きな時に写真を撮り、見たいときに登山アプリを見る事が出来ます。
雨風に濡れないから冬山雪山登山が前より好きになります。
この記事が皆さんの快適に登山のお役に立てれば幸いです。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
冬山・雪山の手袋の最適解とは
最適解は「重ね着」です。
冬山・雪山登山では、手袋1枚は心許ないです。おすすめしません。
なぜならば、どの手袋でも1枚だと手を冷やしてしまうからです。
例えば、トレッキンググローブは風通しがいい反面、手を冷やします。また、防水対応していないモノだと雨に濡れて手を冷やします。
また、防水・保温グローブは分厚く高機能な反面、スマホ操作など細かい作業が不得手です。操作するために防水保温グローブを外します。そうすると素手の時間ができます。
スマホタッチパネル未対応だと、登山アプリを見るたびに手袋を外します。それにより素手になる時間が増えます。
結果、手を冷やします。
手が冷えると握力が落ちるので、ストックやピッケルをつかめず転倒や滑落の危険があります。
また、寒さは集中力を低下させるので思わぬ事故にも繋がります。
つまり、手袋1枚は危険です。登山服もレイヤリングをして体温管理をするように、手袋もレイヤリングをします。
「冷える」の原理
身体が冷える原理は、熱が奪われるからです。つまり、熱放散が起こるからです。
熱が奪われる(熱放散)の種類には①対流②伝導③輻射④蒸発があります。
具体的に説明します。
対流
対流とは、気体や液体を通じて熱が移動する原理の事です。例えば、手袋をつけずに冷たい風を受けた場合、風という気体により手の熱が奪われます。この原理により手が冷えます。
伝導
伝導とは、何かモノを通じて熱が移動する原理の事です。例えば、素手や薄い手袋で雪や濡れた岩をつかむと、熱が高い方から低い方へ移動します。それにより手の熱が奪われます。
輻射
輻射は遠赤外線により熱が移動します。例えば、太陽などの熱やホッカイロの熱、炭からの熱はこの原理から得られます。太陽がなければ寒いのは太陽からの遠赤外線がなくなるからです。
蒸発(気化熱)
蒸発(気化熱)とは、液体が気化するときに熱が奪われる原理の事です。例えば、雨に濡れた手や手袋を放置している、乾くと共に手の熱を奪い冷えていきます。また、汗冷えもこの原理と同じです。
濡れたらこまめに拭き取る理由は蒸発による熱放散(熱を奪い身体を冷やす)を防ぐ意味があります。
大菩薩嶺からの学びを蓼科山で活かす
前に大菩薩嶺に登った時にただの手袋で行きました。タッチパネル対応もついていないただの手袋です。
風を通す、通す。伝導により熱奪われまくりでした。
結果、手が冷えました。辛かったです。
▼大菩薩嶺の登山体験はこちら▼
蓼科山ではその教訓を活かしました。
蓼科山は-5度ぐらいでした。曇りなので太陽による輻射も期待できません。寒さは容易に想像ができました。
そこで、ノースフェイスのシンプルトレッカーズグローブ(タッチパネル対応)をインナーに、その上からゴアテックスの防水保温グローブを装着しました。
これにより手の冷えはなく快適でした。
今までスマホ操作をする際は手袋を外していました。手が冷たくなるので、地図を見るのも嫌になっていました。
しかし、今回は違います。
操作する際は防水保温グローブを脱げばいいので、素手時間を0分です。
これで好きな時に写真が撮れ、見たいときに登山アプリで位置確認ができました。
▼蓼科山の登山体験はこちら▼
ちなみに、ノースフェイスのシンプルトレッカーズグローブは優秀です。
手にフィットしながらも伸縮性が高いです。
それにより、重ね着をしてもゴアつかずが少ないです。そして、動きの制限も少ないです。
加えて、形がスタイリッシュです。街中でつけてもかっこいいです。
ノースフェイスのシンプルトレッカーズグローブはとてもおすすめです。
肌触りがよく、手になじみやすいです。窮屈感がないのでずっとつけていることができます。
岩稜帯、雪山では手を守る為に、手袋はとても大切です。
防水保温グローブも沢山あり、迷いますよね。
私は石井スポーツオリジナルのPAINEの防水保温手袋を使っています。
ゴアテックス製のグローブなので防水にも保温にも優れています。
ゴアテックスは優秀です。1月の雨の日に、ゴアテックスの防水保温手袋をつけてバイクを運転しましたが、寒くならず快適でした。
スノボでも使いましたが、濡れもせず暖かいままで快適でした。
もちろん、冬山・雪山でも快適でした。
選ぶ際の注意点は、レイヤリングできる幅を残しておくことです。
キツキツな手袋は避けましょう。
また、オーバーグローブを選びましょう。手首がすっぽり覆わないと雪が入ったり冷気が入ったりします。
ブラックダイヤモンドやミレーのオーバーグローブもゴアテックス製なのでおすすめです。
冬山・雪山の手袋レイヤリング案
冬山・雪山のレイヤリング案をお伝えします。
そろえる手袋はこの3つでOKです。
①防水・保温グローブ:ゴアテックス製
②防水手袋
③トレッキング手袋
厳冬期雪山(2500m前後)
トレッキング手袋(タッチパネル対応)+防水・保温グローブ
保温のためにウールなどが勧められていますが、ウールをつけると動きにくいです。
保温性がある手袋ならば、ウールがなくても問題ないです。
3000m級の上級者が行くような雪山以外はこれで問題なく登れます。
雨の冬山(2000m前後)
トレッキング手袋(タッチパネル対応)+防水手袋
2000m以下だと防水・保温グローブはややオーバースペックです。
そこで、薄めの防水手袋が役立ちます。
持っているトレッキング手袋の上から防水手袋を装着するだけで、熱放散を防ぐ事が出来ます。
この方法は夏山登山の雨の時にも役立ちます。
晴れの冬山(2500m前後)
トレッキンググローブor素手
晴れていれば、トレッキンググローブだけで問題ないです。太陽の輻射(遠赤外線効果)が大きいですね。
晴れていれば、素手でも問題ないです。
まとめ
冬山・雪山の手袋の最適解は重ね着です。
冷たくないように、寒くないように対策をする事が快適な登山に繋がります。
手が冷たくないだけで、出来る事が増えます。安全性も増します。
安全で楽しい登山にしましょう。
今回の記事が参考になれば嬉しいです。
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