がっかり百名山の一つとして挙げられることのある恵那山。
その理由は、「山頂からの展望がないから」と言われています。確かに、せっかく苦労して登ったのに眺望が楽しめないとなると、がっかりしてしまうかもしれません。
しかし、恵那山は決して「がっかり百名山」ではありません。
山頂からの眺望は限られていますが、展望台からは北アルプスの稜線を望むことができます。
たしかに、その景観は北アルプスの雄大な眺めには及ばないかもしれませんが、恵那山にはそれ以外にも魅力がたくさんあります。
特に、厳冬期ならではの楽しみが満載です。
自然が生み出す美しい雪庇、スノーシューを履いて雪の上を歩く楽しさ、そして避難小屋で過ごす特別な時間——これらは、恵那山ならではの体験といえるでしょう。
この記事では、厳冬期の恵那山を最大限に楽しむ方法をご紹介します。ただし、冬の登山には体力と技術が求められるため、誰にでもお勧めできるわけではありません。
それでも、雪山登山のステップアップを考えている方には、ぜひ挑戦していただきたい山です。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
厳冬期恵那山の必須アイテム
雪山三種の神器に加えた1種

厳冬期の恵那山では、雪山三種の神器とされる「アイゼン、ピッケル、ビーコン」に加えて、スノーシューまたはワカンが必須です。
恵那山は中央アルプスの最南端に位置しており、雪が少ないと思われがちですが、実際には北アルプスを越えた強い低気圧の影響を直接受けるため、予想以上に積雪があります。
さらに、強風による雪煙の舞い上がりや、吹き溜まりによる雪庇の形成も見られます。
トレースをつけても風ですぐに消えてしまい、圧雪が進まないため、まるで底なし沼のような深雪地帯があちこちに出現します。
こうした雪道をアイゼンだけで進むのは非常に困難です。実際に腰まで雪に埋まり、這い上がるのに苦労したこともあります。

そこで役立つのがスノーシューです。SNSやGPSアプリなどで「スノーシューは不要だった」というコメントを見かけることもありますが、状況によっては不可欠な装備になります。
ラッセル(深雪をかき分けながら進むこと)は、想像以上に体力を消耗し、時間がかかります。時間がかかるほど体力が奪われ、さらに進むのが遅れる……という悪循環に陥ることも。
積雪の多い雪山に登る際は、スノーシューやワカンを携行することを強くおすすめします。
スノーシューとワカンの違い
スノーシューとワカンにはそれぞれ特徴があり、登る山の条件によって適した方を選ぶ必要があります。
恵那山に登るなら「ワカン」がおすすめです。
その理由は、恵那山では深雪だけでなく、硬く締まった登山道も歩く必要があるからです。
スノーシュー は浮力が高く、深雪の中でも沈みにくいため楽に歩けます。しかし、雪が締まった道ではグリップ力が不足し、狭い尾根道ではサイズが大きく邪魔になることも。
浮力を高めるための面積が、かえってデメリットになる場合があります。
ワカン はスノーシューほどの浮力はありませんが、汎用性が高いのが特徴です。ときには股下まで雪に埋まることもありますが、アイゼンを装着したまま使用できるため、雪の下が氷になっていても対応できます。
また、軽量であるため、長時間の行動が求められる恵那山には最適です。
スノーシューとワカンの違いを詳しく知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
項目 | スノーシュー | ワカン |
浮力(沈みにくさ) | ◎(広い接地面で浮力が高い) | △(スノーシューよりは沈むがツボ足よりはマシ) |
携帯性(収納・重さ) | ×(大きくて重い) | ◎(軽量でコンパクト) |
装着のしやすさ | ◎(簡単なバインディング) | ×(アイゼンのように装着に手間がかかる) |
急斜面での歩行 | △(ヒールを蹴り込めず下りが怖い) | ◎(踵が使えるので安定しやすい) |
新雪・深雪での歩行 | ◎(浮力があるのでラッセルが楽) | △(スノーシューよりは沈む) |
アイスバーン・固い雪 | △(スパイクがついているがアイゼンほどではない) | ◎(アイゼンと併用可能で対応力が高い) |
登山時の汎用性 | ○(適応範囲は広いが大きさがネック) | ◎(様々な地形に対応) |
スキーとの相性 | ×(併用は非推奨、かさばる) | ◎(緊急用として持ち運びやすい) |
使用シチュエーション | 新雪・深雪のハイク、雪遊び | 固い雪・急斜面・アイスバーン・縦走 |
おすすめのワカンと番外編
私のおすすめは、モンベルの 「カジタックス スノーシュー 46」 です。
これは、ワカンとスノーシューの中間的なアイテムで、アイゼンを装着できるうえに、通常のワカンよりも浮力がある という特徴があります。
操作もシンプルで着脱が容易なため、扱いやすいです。さらに、下りでも安定感があり、転倒のリスクが少ないのも魅力です。
もし、よりアイゼンのグリップ力を活かしたい場合は、「スノープラック」 がおすすめです。
こちらもワカンとスノーシューの良いところを併せ持った製品で、アイゼン装着を前提に設計されています。
そのため、雪稜や岩稜が混在するような険しいルートでも安心して使用できます。また、コンパクトに収納できるため、荷物の多い雪山登山にも最適です。
ただし、高機能なぶん価格が高めです。
恵那山レベルの雪山なら、モンベルのワカンで十分でしょう。
最もコスパの良い選択肢は「レンタル」 です。
年間で何度も雪深い山に登るわけでなければ、レンタルの方が経済的です。さらに、さまざまなメーカーの製品を試せるため、自分に最適なモデルを見つけるのにも役立ちます。
やまどうぐレンタル屋には「冬登山」カテゴリーが用意されています。
そこから冬用登山靴やワカン、ビーコンなど雪山に必要なアイテムを選ぶ事ができます。
恵那山山頂避難小屋での過ごし方

恵那山の山頂避難小屋は、「緊急時以外は使用禁止」と明記されていません。
つまり、常識の範囲内で利用するのであれば問題ない と解釈できます。
時代によって「常識」の基準は変わりますが、令和の現在では、
- 自己責任で利用する
- 他の登山者と譲り合い、一部の人が占領しない
- 宿泊前よりも綺麗にして帰る
これらを守ることが求められます。
そのため、しっかりと準備を整えた大人2人の登山者が宿泊することは問題ないと考えました。
なぜ恵那山山頂避難小屋を選んだのか
最大の理由は 「ストーブがあるから」 です。
ストーブがあれば、厳冬期の雪山でも暖を取れるうえ、雪を溶かして水を作ることができます。
何よりも、火を眺めながらお酒を楽しむ時間は、雪山ならではの贅沢なひとときです。
この避難小屋を最大限に楽しむために、「木材と炭」 を持参することをおすすめします。
炭だけでも部屋を暖めることはできますが、ストーブの高さが約30cmほどあるため、煮炊きをするには火力が届きません。
そのため、薪が必要になります。
落ちている木を拾いながら歩くのも良いですが、確実に見つかる保証はなく、多くは湿っています。
そのため、火力を安定させるためにも、広葉樹の薪(ナラ・クヌギ・カシなど)を持参するのが理想的 です。
広葉樹は燃焼時間が長く、炭と併用することでより持続的に暖を取ることができます。
火を囲みながら、私は梅酒のお湯割りをちびちび飲み、おつまみをポリポリ食べながら のんびりと過ごしました。
中には、この火を使って山ご飯を作る人もいるようです。
雪山でストーブを体験できる数少ない場所のひとつなので、ぜひ楽しんでみてください。
ここからは余談になります。
皆さんも経験があるかもしれませんが、焚火やストーブを使うと服に煙の臭いが染みつきます。
特に、雪山用のダウンジャケットは高価であり、自宅で簡単に洗えない ことが多いです。
もし、クリーニングに出すのが面倒な場合は、モンベルのダウン がおすすめです。
モンベルのダウンは 洗濯機で洗える ため、臭いが付いたとしても自宅で簡単に洗濯できます。
ただし、ダウンはしっかり乾燥させることが重要です。
そのため、ドラム式洗濯機を持っている方 には、自宅での洗濯を特におすすめします。
ドラム式洗濯機は、洗浄と乾燥の両方を一度に行えるだけでなく、自然乾燥よりもふんわり仕上がるのが特徴です。
また、登山後の靴下や手袋、タオル類を干す手間も省ける ため、登山後の片付けが格段に楽になります。
「時間をお金で買う時代」と言われるように、ドラム式洗濯機の導入は、登山後のストレスを減らすための賢い投資 かもしれません。
私が使っている東芝のドラム式洗濯機のリンクを張っておきます。興味がある方は性能を確認してください。
お店で買うよりもネットで買った方が安い場合があるので、色々価格を比べてみてください。
イメージ動画
厳冬期の恵那山をサクッとイメージしたい方はこちらの動画をご覧下さい。
ルート概要

恵那山は中央アルプスの最南端に位置する山です。百名山の一つであるだけでなく、中央道が通る山としても知られ、また天照大神の伝説が残る山でもあります。
そのため、「がっかり百名山」と呼ばれることもありますが、それ以上に名の通った山でもあります。
厳冬期の恵那山へ登る際は、広河原登山口駐車場まで車で行くことができません。
そのため、その手前にある青木屋さんがご厚意で開放している無料駐車場に車を停めることになります。
この駐車場は約10台ほどしか駐めることができないため、土日には争奪戦が繰り広げられます。
土日に登る予定の人は、できるだけ早く到着するか、公共交通機関を利用するのがおすすめです。
青木屋さんの無料駐車場から広河原登山口駐車場までは徒歩で約1時間、そこからさらに恵那山登山口までも約1時間かかります。

この区間は緩やかな林道が続くため、登山前のウォーミングアップにはちょうど良い道のりです。
しかし、登山口から先は一気に厳しくなります。
斜度のきつい登りが続き、吹きだまりができやすい「底なし沼」のような道に足を取られることもあります。また、なかなか終わらない尾根道が続くため、精神的にも体力的にも削られていきます。
特に積雪期は、せっかくつけたトレースもすぐにかき消されてしまい、ラッセルが必要な場面が多くなります。
そのため、体力を大幅に消耗しながらの登山となりますが、厳冬期ならではの美しい雪景色や、頂上から望める雄大な景色がその苦労を吹き飛ばしてくれるでしょう。
ルート詳細

恵那山山頂までの標高差は1410mです。総距離は約17kmです。
この長く険しい道のりを具体的に説明していきます。
山頂からは眺望はありませんが、山頂前後に素晴らしい景色があります。
是非、参考にしてください。
無料駐車場から恵那山登山口まで

カーナビで「広河原駐車場」と入力すると無料駐車場を通り過ぎてしまいます。
通り過ぎるとUターンが大変なので、「青木屋」もしくはマップコード「313 663 222*63」を入力してください。
青木屋さんの向かいにある車10台ほどの駐車場が無料駐車場です。

広河原までの冬季通行止めは4月には解除されます。
この日は4台しか止まっていませんでした。
6人ぐらいとすれ違ったので、どなたかは公共交通機関をしようしているのでしょう。
駐車場で準備を整えて出発です。

恵那山登山口までは約2時間の林道歩きです。
登山アプリでは広河原駐車場から登山道が開始になっています。なので、恵那山登山口まで1時間の林道歩きと思いきや違います。
青木屋の無料駐車場から広河原駐車場までの林道もあるので、時間配分には気を付けましょう。
広河原駐車場まではなだらかな林道をひたすら歩いて行きます。

無料駐車場から広河原駐車場までの標高差は約200mあります。
なだらかに見えても登りが続く道です。チェーンスパイクは履かずにズボ足で歩けました。

やっと、広河原駐車場に到着しました。
ここにトイレがありますが、冬季閉鎖されています。
冬のトイレ問題は悩ましいですよね。私は携帯トイレを持参しています。

広河原駐車場以降は片側は今にも落石しそうな岩がいくつもある山肌むき出し。
その横を歩いて行くので、落石に出会わないか心配でした。
そのような山を切り開いたような道なので、当然、急斜面では雪崩が起きた後があります。

落石と雪崩。どちらも出会いたくないので、足早に通り過ぎていきます。
落石、雪崩ゾーンが終ると広場が見えて来ます。
雪に覆われているので、河原なのか本当にただの広場なのかわかりません。

雪の下がどんな場所なのかもわかりませんが、誰も足を踏み入れていない真っ白な雪原に自分の足跡を付けたくなってしまします。
トンネルが出てきました。

トンネルが出てくれば、恵那山登山口までもう少しです。
これから始まる山道のよいアップになりました。
恵那山登山口から看板2/10

恵那山登山口の看板から川へ降り、橋を渡り、恵那山の尾根に入ります。
ここまでは楽勝だと思っていました。

しかし、これ以降、厳冬期の恵那山の洗礼を受け続ける事になります。
登山口からの道は最初から登りがきついことがほとんどです。
燕岳も北岳も夜叉神峠から登る鳳凰三山もみんなきつい。
恵那山も例外なくきつい登りが待っていました。

荷物が軽ければなんて事のない道なのかもしれません。今回は厳冬期用の荷物に加えて薪と炭を持っているので重たいです。
我ながら何故こんなきつい事をしているのかと疑問に思います。しかし、山小屋で薪をくべてお酒を飲むとそんな思いも忘れてしまいます。
最初のきつい道を歩き終わるとやや平坦な道になります。

平坦と言っても少し傾斜が緩くなった程度です。
上を見上げるとまだまだ先が長いことがわかります。
そして、朝から登られてくる方々は続々と降りてくる時間になりました。
上では人影がちらちら見えます。

私達以外に人がいるとわかると少し安心します。
少し緩やかな道を進むと、また急登が始まります。特に、「2」と記載されているプレートを過ぎた辺りからきつくなります。

この登山道を歩くには、ストックが欠かせません。むしろ、ピッケルは使いませんでした。
ピッケルを持って行くなら、ストックを持っていた方がいいです。
まだまだ先は長い。
看板2/10から4/10(標高1716m辺り)まで

プレート「2」は何を示しているのか。歩いている時はわかりませんでした。
そもそも、「2」とも認識していませんでした。
なので、この看板と出会い、道中ナンバリングされたプレートもしくは看板があることがわかりました。
嬉しい反面、まだ2/10の事に驚かされます。
もっと歩いたような気持ちになるほど、過酷な道でした。
標高1500mも越えると北アルプスからの風をダイレクトに受けます。

風が雪煙をお越し、吹きだまりを作り、トレースも消し去って行きます。
何故かわかりませんが、恵那山はピンクテープが異様に少なく感じます。
トレースがない場合は、地図とピンクテープが頼りなのですが、その頼りの一つがありません。
等高線をみてもらうとわかるように、等高線が幅広になっている場所があると思います。
ちょうど阿智村と書いてある付近です。

ここの道を写真で見るとこんな感じです。

この道はかろうじてトレースがありますが、ほとんどトレースがないのに等しかったです。
また、ピンクテープがないため、頼りは地図のみです。
そもそも、ピンクテープは誰かの善意です。
それを頼ってはいけませんね。
自分で地図を見て、正しい道を歩けないようなら雪山はやってはいけないと恵那山に教えられたように感じます。
風は強いですが、地形や方角はわかるので、進む事ができました。
ホワイトアウトだったら撤退でしたね。
地図の阿智村の「村」あたりに来るとピンクテープを発見しました。

自分達は正しい道を歩いていたんだと証明されているようで安堵しました。
頼ってはいけないとわかっていてもあると嬉しいピンクテープです。
この辺りは吹きだまりもあるので、試しにモンベルのスノーポンを履きました。
スノーシューよりも小さく、ワカンにはないグリップがあるので歩きやすかったです。
今はモデルチェンジをして、「カジタックス スノーシュー 46」と名を変えていました。
持っていれば便利なのですが、そこまで登場シーンも多くないのがスノーシューやワカンです。
なので、私はいつもレンタルで済ませています。
4/10から7/10まで:吹き荒れる雪庇ゾーン

4/10の看板を見付けました。
やはり、まだ「4」なのかと思ってしまいます。
そういえば、「3」の看板を見かけませんでした。きっと雪に埋もれているのでしょう。
残雪期以降に出会える看板ですね。
さて、ここからは厳冬期の恵那山の代名詞「雪庇」ゾーンに入ります。

恵那山は残念百名山と言われています。
その所以が山頂からの眺望がないからです。
確かに、標高1400mを登り絶景が見えないのはただの苦行です。
しかし、厳冬期の恵那山には自然が創り出す雪庇やシュカブラがあります。
これらを間近で堪能するのも今回の山行の目的の一つです。
開けた雪庇尾根道に出る前に、テント泊に最適な平坦な場所にでました。

風よけの木もあるので、テント泊にはいいですね。
ただ、ここでテント泊できる猛者は山頂までいけるので、あまり利用されなさそうです。
幕営最適地からしばらく歩くと、パッと視界が開け、近隣の山々が現れました。

これまでずっと山の中だったので、景色を観る事ができて嬉しいです。
ここからが恵那山の強みである、雪庇ゾーンです。
雪はもふもふで歩くのが気持ち良く、見晴らしも最高です。

厳しくも美しい雪山を歩けることがとても楽しかったです。
しかし、しばらく進むと、更に風は強くなり、先行者のトレースはほとんどありませんでした。
雲行きも怪しいです。

ただ、今から引き返すよりも避難小屋の方が近く、暖を取ることができます。
頑張って山頂を目指す事にしました。
ホワイトアウト寸前のため、雪庇なのか道なのかわかりづらい場面もありました。
なるべき木の近くを歩くようにして、慎重に歩みを進めす。

時折、突風にて倒れそうになりますが、踏ん張りました。
これぞ、厳冬期の雪山です。何が起こるかわからないからこそ、己の知識と技術が試される。

わくわく半分怖さ半分の心境でした。
雪庇の尾根道も終わり、林道に入りました。
そろそろ、看板7です。
7/10から避難小屋まで

看板「7」は見付ける事ができませんでした。
看板「7」は標高1940mあたりにあるので、山頂まで200mほど登れば到着します。
もうすぐで着くはずなのに、林道も吹きだまり地獄でした。
急斜面に加えて吹きだまりはかなり足を取られます。

短い距離でしたが、ラッセル続きが続きます。残り少ない体力がゴリゴリ削られていきます。
そこを頑張ると緩やかな道にでました。

そこから山頂まではあっという間に到着です。
体感では何十分も歩いていたように感じますが、時計をみるとあっという間の数十分でした。
身体が疲れている事がよくわかります。
恵那山山頂はこんな場所です。

木々に覆われています。景色は見えません。
ただいまの気温は-15度です。息で髪も凍ってしまうほどです。

恵那山山頂小屋の途中に絶景スポットがあるので、そこまで我慢です。
木々はあるものの、再度には南アルプスと中央アルプスを観る事ができます。
素晴らしい景色。
日の入りまでのマジックアワーも相まって素晴らしい景色です。

さて、疲れ切った身体を避難小屋で癒やしましょう。
避難小屋の入口は雪から掘り出され、階段状になっていました。
入口を掘り出す覚悟でいたので、掘り出さなくて澄みホッとしました。
今から掘り出したら夜になっていたかもしれません。
小屋の前にはスコップが用意されていました。

ストーブで火をおこします。
火がゆらゆら揺れる姿をみるのが楽しい。どうしてこんなにも楽しく癒やされるのでしょうか。
火にはリラックス効果があるように思います。

避難小屋にストーブがあるのは中央アルプスの特徴です。
南アルプスは避難小屋が多いけど、ストーブがある避難小屋はありません。
中央アルプスも恵那山山頂避難小屋と木曽駒七合目避難小屋のみです。
着火剤を持ってきましたが、気温が低いからか中々薪に火がつきません。
火吹き棒で燃焼効率をあげます。
無事に薪に火が付くと室温が-15度から-5度まで上昇します。

マイナスの世界には変わりありませんが、過ごしやすい部屋になりました。
寝室までは暖める事ができなかったので、マットはR値が高い物をもっていくことをお薦めします。

底冷えするので、薄いマットだと寒くて眠れません。
サーマレストのエアマット(R値2.7)と山と道のUL Pad 15+(R値2)で底冷えせずに眠れる事ができました。
私はサーマレストのネオエアーXを使いました。こちらも問題ありませんでした。
絶景帰り道

翌日は日の出前から活動を開始しました。
その理由は朝のマジックアワーを観たかったからです。
山頂手前の開けた場所で日の出を迎えました。

その時の写真がこちらです。
素晴らしい景色ですね。
山頂の眺望はありませんが、所々に絶景が待っているので、全くがっかりではありません。
林道を下り、雪庇ゾーンに入ります。
林道からスノーポンを履いているので、踏み抜きは怖くありません。

ざくざく下山しながら、雪庇が広がる尾根道を楽しみます。
昨日、迷子になりそうだった道も上から見通せるからか、迷い無く進む事ができました。

それも晴れて穏やかな天気だから、落ち着いて周りを見えるのかもしれません。
昨日とは一変して穏やかな顔を見せる恵那山に驚きを隠せません。
同じ登山道とは思えないぐらいです。
それが、厳冬期なのかもしれません。
厳冬期の洗礼を受けた山行となりました。
今回も無事に下山出来ました。
今回の登山装備品

今回は避難小屋に宿泊するつもりなので、テントは持参しませんでした。
本当はツエルトを持って行くべきなのでしょう。
カテゴリー | 商品 | 商品名 | POINT |
---|---|---|---|
ザック | ![]() | カリマー CougarApex 60+ | 背面長をカスタマイズできるので、身体にフィットします。 |
エアマット | ![]() | サーマレスト ネオエアーX | 寒さとは無縁です。雪山はこれ一本です。R値7.3 |
シュラフ | ![]() | イスカ エアドライド670 | 雪山なのに暖かさを感じるシュラフです。快適温度-15度までです。 |
トレッキングポール | ![]() | シナノ ロングトレイル | 疲労軽減のために、ストックは欠かせません。コンパクト性が高いです。 |
登山靴 | ![]() | スポルティバ ネパールキューブ | 機能面重視の人はAKUかモンベル、格好良さも突き詰めるならスポルティバです。 |
アイゼン | ![]() | グリベル アイゼン | 老舗はグリベルです。ずっとこれを使っています。 |
サングラス | ![]() | MARSQUEST サングラス | 顔が小さい方には大きく感じるかもしれません。 |
ガスバーナー | ![]() | PRIMUS ガスバーナー(P-153) | PRIMUSを愛用しています。10年以上壊れず現役です。 |
クッカー | ![]() | PRIMUS イージークックNS | PRIMUSのクッカーは1L用もあるので便利です |
ガス缶 | ![]() | IWATANI ガス缶(POWER用) | iwataniのガス缶を使っています。恵那山では寒冷地用じゃないガス缶でも使えました |
お箸 | ![]() | スノーピーク 箸 | スノーピークの箸を使っています。 |
山専用ボトル | ![]() | サーモス ステンレスボトル(900ml) | 蓋がコップの代わりになるので、便利です。 |
コーヒーフィルター | なんでも大丈夫です。 | 浄水器は嵩張り、なかのフィルターが凍結する可能性があったので、こちらを代用しました。 | |
ダウンジャケット | パーマフロスト ダウンパーカー | モンベルのダウンはコスパがいい上に、家で洗濯ができます。 | |
ダウンパンツ | ネーチャーハイク ダウンパンツ | コスパがいいダウンだけど、洗濯できないのがデメリット | |
ダウンシューズ | ![]() | モンベル ダウンシューズ(新品:黄色) | ゴアテックス素材の物だと雪の上を歩き回れるから便利です。 |
フリース | ![]() | パタゴニア R1 | 保温性の高く動きやすい。それなのに、着心地が最高。 |
アクティブインシュレーション | パタゴニア ナノエア | 中間着はパタゴニアしか勝たんw | |
手袋(メリノウール) | モンベル メリノウール手袋 | 厚手の手袋を脱いでも素肌がでないために着用する | |
手袋(雪用) | ![]() | ブラックダイヤモンド ソロイスト | 防水かつ保温性が高いので、-25度まで耐えれるらしいです |
靴下 | ![]() | スマートウール 厚手靴下 | 暖かいのに速乾性も高い。そのため、汗冷えしないのでよい。 |
ハードウェア | ![]() | ファイントラック エアーブレスアクロ | 1番コスパがよく格好いいと思う。でも、恵那山はレインウェアでも良いと思います |
目出し帽 | ![]() | ミレー ワッフルマスク | 他よりも速乾性が優れています。 |
ベースレイヤー | パタゴニア キャプリーンサーマルウェイト | 暖かく速乾性が高い。 | |
行動着(パンツ) | ![]() | ロングパンツ Big Wall Pant | 秋から冬までこれ一本で問題なく過ごせます。 |
部屋着(パンツ) | ![]() | アルパイン イージーフィットパンツ | 冬はあまり汗をかかないので、上は着替えません。 |
帽子 | ![]() | ノースフェイス カプッチョリッド | 耳が寒いので、キャップではなく毛糸の帽子を着用しています |
カイロ | マグマがいいかも | マグマは問題なく使えました | |
電池 | なんでも大丈夫です | ライトやもしものために携帯しています。 | |
ヘッドライト | ![]() | ペツル TIKKA ティカ | ナイトハイクだけではなく、手元を明るくする時にも役立ちます。 |
ライト | ![]() | ブラックダイヤモンド ライト | 部屋を明るく照らすために持って行きます |
45Lゴミ袋 | なんでも大丈夫です | 水作り用の雪を入れます。1回1回取りに行かなくて楽です。 | |
シャベル | ![]() | Black Diamond ディプロイショベル | 避難小屋を掘り出す、水用雪を救うときに便利 |
ツエルト | ![]() | ヘリテイジ クロスオーバードーム2G | 自立式なのに軽い。信頼高いヘリテージです。 |
駐車場とトイレ
厳冬期の駐車場は青木屋さんが無料開放してくれる駐車場を利用します。
4月以降は冬季通行止めが解除になるので、広河原駐車場まで進めます。
厳冬期のトイレは山頂までありません。
残雪期は広河原駐車場にあります。
厳冬期、残雪期ともにトイレは山頂にしかありません。
なので、携帯トイレを持参した方がいいでしょう。
まとめ
厳冬期の恵那山に登りました。
登っただけではなく、避難小屋に宿泊しました。
避難小屋宿泊はとても楽しいです。
友人の山小屋とは違うわくわく感や自由感があります。
避難小屋を使う事で得られる経験は沢山あります。
ルールを守り、人の迷惑にならないように楽しんでください。
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