テント泊登山では、ザック選びが軽量化の鍵になります。
「軽くて」「性能が良くて」「安い」三拍子そろった理想のザックを探すのは難しいですが、
自分の登山スタイルに合ったモデルを選べば、体への負担を大幅に減らすことができます。
ここでは、夏の北アルプスや八ヶ岳でのテント泊登山を想定し、容量・重量・価格・性能のバランスが取れたおすすめザックを紹介します。
テント泊ザックの容量は40〜45Lで十分
テント泊装備でも、40〜45Lの容量があれば問題ありません。
パッキングを工夫すれば、40Lでも快適に装備を収められます。
ただし、軽量化を考えるうえで最も悩ましいのがこの「ザック」。
一般的な40〜45Lのザックは約1,500g前後あります。
しかし、これを半分の重さにできれば、体の疲労度は大きく変わります。
軽量・高性能ザックの比較【人気ブランド別】
ハイパーマウンテンギア「ジャンクション」

超軽量ザックの代名詞ともいえるのが、
Hyperlite Mountain Gear(ハイパーマウンテンギア)の「ジャンクション」。
- 容量:40L
- 重量:約800g
- 耐荷重:18kg
- 価格:約6万円
人間工学に基づいて設計されており、重い荷物でも“軽く感じる”背負い心地が特徴。
軽さ・耐久性・快適性の三拍子がそろったトップクラスのザックです。
唯一の難点は価格の高さですが、一生モノの相棒として人気があります。
山と道「THREE」

日本のULブランドとして人気の高い山と道(Yamatomichi)。
テント泊を想定するなら、「THREE」が定番モデルです。
- 容量:40L
- 重量:約600g
- 耐荷重:10kg(ライトウェイト装備でギリギリ対応)
- 価格:約4万円
非常に軽量ですがフレームがないため、荷物の形が背中に当たりやすい点に注意が必要です。
背面パッドを入れて調整すると快適になります。
UL系ザック全般に言えることですが、パッキングにコツが必要です。
また、腰で支える構造ではなく、肩と背中で背負うため長時間歩行では肩に負担がかかります。
オスプレー「ケストレル38」

「軽さよりも快適性」を重視するなら、オスプレー(Osprey)がおすすめです。
特に「ケストレル38」は定番中の定番で、安定感と背負いやすさが魅力です。
- 容量:38L
- 重量:約1,890g
- 価格:約3.5万円
重量はありますが、背面構造が優れており、長時間歩いても疲れにくいモデルです。
体感的にはグレゴリーより軽く感じるという登山者も多く、初心者にも扱いやすいオーソドックスなザックです。
ブルーアイス「クメ」&「ファイヤークレスト」

ヨーロッパのアルパインブランドであるブルーアイス(BLUE ICE)は、氷壁登攀を前提にした高耐久・軽量ザックで人気です。
無駄を省いたシンプル構造で、耐久性を重視した設計が特徴です。
クメ(KUME)
- 容量:40L
- 重量:約1,000g
- 価格:3.5万円
- 特徴:スキーアルパイン対応。背負いやすく汎用性が高い
フレームやパッド、ウェストベルトも備え、軽量ながら安定感があります。
ファイヤークレスト(FIRECREST)
- 容量:40L
- 重量:約800〜900g
- 価格:約2.6万円
- 特徴:軽量・フレーム付き・型崩れしにくい
軽量かつ背負いやすい構造で、コスパ重視派に最適なモデルです。
パーゴワークス「ZEN」

日本ブランドパーゴワークス(Paago Works)の「ZEN」は、日本人の体型にフィットしやすく、初心者にも扱いやすいザックです。
- 容量:40L+アタックザック5L(最大45L)
- 重量:約960g
- 価格:約3.8万円
背面フレーム付きで安定性が高く、背面長の調整も可能。
ショルダーストラップのクッション性も十分で、長時間歩行でも快適です。
収納ポケットも多く、初めてのテント泊に最もおすすめです。
ブランド別比較表
ブランド | モデル名 | 容量 | 重量 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ハイパーマウンテンギア | ジャンクション | 40L | 約800g | 約6万円 | 超軽量・高耐久・快適性抜群 |
山と道 | THREE | 40L | 約600g | 約4万円 | UL装備向け・パッキング要コツ |
オスプレー | ケストレル38 | 38L | 約1,890g | 約3.5万円 | 快適性高い・初心者向け |
ブルーアイス | クメ | 40L | 約1,000g | 約3.5万円 | バランス型・高耐久 |
ブルーアイス | ファイヤークレスト | 40L | 約850g | 約2.6万円 | 軽量・高コスパ |
パーゴワークス | ZEN | 40〜45L | 約960g | 約3.8万円 | 扱いやすい・背面調整可能 |
最初のテント泊におすすめのザックは?
- 最軽量&本格派志向なら → ハイパーマウンテンギア「ジャンクション」
- ULスタイルで軽さ重視なら → 山と道「THREE」
- 快適性重視・初心者向けなら → オスプレー「ケストレル38」
- コスパと軽量性のバランス重視なら → ブルーアイス「ファイヤークレスト」
- 扱いやすさと安定性重視なら → パーゴワークス「ZEN」
軽量化の鍵は、ザックそのものの軽さだけでなく、「パッキング技術」と「必要最低限の装備選び」にもあります。
自分の登山スタイルに合ったザックを選び、快適で安全なテント泊登山を楽しみましょう。
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