初めてのテント泊登山――。
「どんなテントを買えばいいの?」「軽い方がいい?」と迷う方は多いでしょう。
登山用テントには大きく分けて 「ダブルウォール」と「シングルウォール」 の2種類があります。
見た目は似ていますが、構造も扱いやすさも大きく異なります。
この記事では、
- ダブルウォールとシングルウォールの違い
- 初心者にダブルウォールをおすすめする理由
- おすすめの軽量ダブルウォールテント
をわかりやすく解説していきます。
ダブルウォールとシングルウォールの違い
ダブルウォールテントとは

「インナーテント+フライシートの2層構造」がダブルウォール。
インナーが結露を防ぎ、フライシートが雨風から守るため、快適性と耐久性に優れています。
テント内の湿気はインナーを通り抜けて外に逃げるため、結露が起きてもインナー側は比較的サラッとして過ごしやすいのが特徴です。
シングルウォールテントとは

一枚構造で軽量な代わりに、結露や耐水性の面で劣ります。
また、テント生地が薄いため耐久性も低く、雨の日は水滴が内部に浸みやすいこともあります。
そのため、初めてのテント泊登山ではシングルウォールはおすすめできません。
扱いが難しく、結露対策や設営の工夫が必要になるからです。
初心者にはダブルウォールがおすすめな理由
- 結露が少なく、内部が快適
- 耐水圧が高く、雨でも安心
- 生地が厚く、耐久性が高い
- 設営しやすく、扱いに慣れやすい
特に、初めてのテント泊では「設営・撤収のしやすさ」と「安心感」が何より大切です。
その点で、ダブルウォールの方が圧倒的に快適で楽しいテント泊体験ができます。
テントの構造方式:スリーブ式と吊り下げ式
テントの設営構造には「スリーブ式」と「吊り下げ式」があります。
方式 | 特徴 |
---|---|
スリーブ式 | ポールを本体のスリーブ(筒状の通し口)に差し込む方式。強度が高く風に強い。 |
吊り下げ式 | ポールにクリップで吊り下げる方式。設営が早く、軽量化しやすい。 |
スリーブ式は構造的に複雑で技術力が求められますが、テントアライ(ARAI TENT) はこのスリーブ構造の特許を持つほどの老舗メーカー。
日本の山岳環境を熟知した設計で、信頼性の高さが魅力です。
軽量ダブルウォールテントの選び方
最近では、ダブルウォールでも1kgを切る超軽量モデルが登場しています。
ただし、軽量化の理由は「生地(糸)の細さ」にあります。
例えば、アライテントのSLテントのフライシートは15デニール(D)、
一方、同じアライテントのオニドームは30デニール(D)です。
つまり、SLテントはオニドームの半分の糸の太さで作られており、軽量ですがその分耐久性が低下します。
登山テントはあなたの命を守る“シェルター”です。
軽さも大切ですが、初めてのテント泊では耐久性と安心感を優先しましょう。
初心者におすすめのテント:テントアライ「オニドーム」

オニドームは、頑丈さ・快適性・設営のしやすさを兼ね備えた理想的な入門モデルです。
楕円形の構造で自然と前室ができるため、雨の日でも荷物を濡らさずに快適に過ごせるのが特徴。
日本メーカーならではの丁寧な縫製と、スリーブ式構造による高い耐風性で、「初めてでも安心して張れるテント」として定評があります。
登山用一人用テント比較表
モデル名 | 値段 | 重さ | 主な仕様・特徴 |
---|---|---|---|
テントアライ SLテント | 58,000円 | 900g | 本体:12Dリップストップナイロン、フライ15D。極限まで軽量化された上級者モデル。 |
ヘリテイジ ハイレヴォ | 62,700円 | 960g | 本体15Dナイロン・撥水加工。高山縦走向けの軽量テント。 |
ファイントラック カミナドーム1 | 71,610円 | 1,280g | フライPUコーティング。耐風・耐水性抜群。信頼の国産テント。 |
テントアライ オニドーム1 | 49,000円 | 1,290g | 本体28D、フライ30D。頑丈で初心者向け。前室が広く居住性◎。 |
モンベル ステラリッジ テント1 | 35,200円 | 1,340g | 軽量・設営しやすい定番モデル。初めての一張りに。 |
ニーモ アトム™ オズモ™ | 53,900円 | 1,350g | ナイロン×ポリエステルの複合素材でバランス良好。 |
各モデル紹介
テントアライ「SLテント」
重量わずか900g。極限まで軽量化されたダブルウォールです。
15Dフライシートで耐久性は控えめだが、軽量装備志向の上級者に最適です。
ヘリテイジ「ハイレヴォ」
登山家にも人気の軽量モデル。
15Dナイロンリップストップで軽さと防水性を両立。SLテントより耐久性高い。
厳しい環境での単独行にも対応する設計です。
ファイントラック「カミナドーム1」
強度と快適性を兼ね備えた国産テント。吊り下げ式。オニドームの対抗馬。
PUコーティングされたナイロンで耐水圧が非常に高く、悪天候でも安心。天井が高め。
風にも強く、フライシートを変えればオールシーズンで使用可能です。
高身長の方、冬のテント泊をする人はこちらがおすすめです。
テントアライ「オニドーム1」
初めてのテント泊に最もおすすめ。
厚手の28D〜40D素材を使用し、耐久性と安心感が抜群。
楕円形の構造で自然に前室ができ、雨天時も快適。
スリーブ式の特許構造で、安定性・耐風性に優れる入門テントです。
夏、秋のテント泊、室内空間を広くしたい人におすすめです。
モンベル「ステラリッジ テント1」

登山者の定番モデル。吊り下げ式で、直観的に設営可能。
設営が簡単で、軽量かつ信頼性が高い。
フライは20D、フロア30Dのナイロン製でコスパと性能のバランスが良好。
ニーモ「アトム™ オズモ™」
アメリカ発の人気ブランド。
ナイロンとポリエステルのハイブリッド生地で通気性と防水性を両立。耐久性には不安がある。
デザイン性にも優れたテントで、軽量テント入門にもおすすめ。
初めてのテント泊には「耐久性のあるダブルウォール」を
初めてのテント泊は、「軽さ」よりも「安心して眠れる環境」が大切です。
特に山では、結露・雨・風から身を守るのがテントの役割。
- 初心者に最適 → テントアライ「オニドーム」
- 軽量志向派 → テントアライ「SLテント」またはヘリテイジ「ハイレヴォ」
- コスパ重視派 → モンベル「ステラリッジ テント1」
テントは“家”であり、シェルターです。
自分の身を守る道具として、信頼できる一張りを選びましょう。
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