白馬岳の日帰り登山は、北アルプスの中でも高い体力と長時間行動への対応力が求められる山行です。
猿倉登山口から白馬岳山頂までの標高差は約1,700m。往復の行動時間は12時間前後になることもあり、
「白馬岳は本当に日帰りできるの?」
「どのくらいきついの?」
「自分の体力でも登れる?」
と不安に感じる方も多いでしょう。
私は実際に、猿倉登山口から白馬岳を日帰りで往復しました。
その経験から感じたのは、白馬岳の日帰りには十分な体力と登山経験が必要であることに加え、序盤から無理をせず、下山まで体力を残す歩き方が重要だということです。
この記事では、実際に白馬岳を日帰りで歩いた経験をもとに、次の内容を詳しく紹介します。
- 白馬岳日帰りの難易度
- 実際の行動時間
- 疲労を抑える歩き方
- 必要な水分と行動食
- 大雪渓や小雪渓の注意点
- 猿倉登山口から山頂までの登山道
白馬岳の日帰り登山を計画している方は、ご自身の体力や登山経験と照らし合わせながら参考にしてください。
【注意】
登山は事前計画が大切です。事故なく楽しく登山をするために、体調面含め必要な登山用品を準備してから登りましょう。
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白馬岳の日帰りはきつい?結論と難易度

結論からいうと、猿倉登山口からの白馬岳日帰りは、長時間登山に慣れた中級者以上におすすめしたい山行です。
十分な体力や登山経験がない方には、白馬山荘や白馬岳頂上宿舎に宿泊する1泊2日の計画をおすすめします。
自分でペース配分や撤退判断をすることに不安がある場合は、登山ツアーを利用する方法もあります。
白馬岳の標高は2,932m、猿倉登山口の標高は約1,230mです。そのため、山頂までの標高差は約1,700mあります。
さらに、休憩を含めると往復の行動時間が12時間前後になることもあります。
高度な岩登りが連続するコースではありませんが、長い登りと下りに加え、時期によっては大雪渓や小雪渓を歩くための装備と技術も必要です。
唐松岳と比較すると標高差は約2倍
白馬岳の日帰りがどのくらいきついのかは、同じ白馬エリアにある唐松岳と比較すると分かりやすいでしょう。
唐松岳の標高は2,696mですが、ゴンドラとリフトを利用すれば、標高約1,830mの八方池山荘付近から歩き始められます。
そのため、唐松岳山頂までの標高差は約860mです。
一方、白馬岳は猿倉登山口から山頂まで約1,700mを登ります。
単純に比較すると、白馬岳では唐松岳の約2倍の標高差を、自分の足で登ることになります。
唐松岳も高山であり、天候や登山道の状態によっては決して簡単な山ではありません。
しかし、白馬岳の日帰りでは、より長い時間にわたって体力を維持する力が求められます。
登山では装備を軽くすることも大切ですが、登る標高差や行動時間が短いほど、体への負担も小さくなります。
白馬岳の日帰りは、この標高差と長時間行動が大きな難関になります。
山の難易度は技術よりも体力が課題
山と高原地図の山岳グレーディングでは、白馬岳は体力4(宿泊が適当)、技術C(ミスをすると事故につながる)と評価されています。
白馬岳の日帰りで大きな課題になるのは、標高差約1,700mを登ったあと、同じ登山道を下山しなければならないことです。
山頂へ到着した時点で体力を使い切ってしまうと、長い下山で転倒や滑落の危険が高まります。
また、白馬大雪渓では、時期や雪面の状態によってアイゼンなどの装備が必要です。
落石やクレバス、雪面での転倒・滑落にも注意しなければなりません。
悪天候時には視界が悪くなり、気温が急激に下がることもあります。
山頂まで登り切る体力だけでなく、状況に応じて引き返す判断力も必要です。
日帰りで最も注意したいのは「筋肉疲労」と「高山病」
日帰り登山で注意したいのは、大きく分けて次の2つです。
- 長時間行動による筋肉疲労
- 標高上昇による高山病
標高差1,700mを1日で登って下るため、脚への負担は非常に大きくなります。
私自身、これまでの経験では行動時間が9時間を超える山行では筋肉痛が出ることが多くありました。
今回は約12時間の行動を予定していたため、疲労の蓄積を最も心配していました。
筋肉は長時間の登山によって微細な損傷を受け、エネルギーの消耗や炎症反応が重なることで筋力が低下します。
筋力が落ちると踏ん張りが利かなくなり、さらに余計な体力を消耗するという悪循環に陥ります。
もう一つが高山病です。
白馬岳の山頂は標高約3,000mに達するため、酸素分圧が低下し、体が十分に順応できないと頭痛や吐き気、強い倦怠感などの症状が現れることがあります。
重症化すると高地肺水腫や高地脳浮腫といった命に関わる状態になることもあるため、決して軽視できません。
さらに、標高差1,700mによる身体への負担に加え、悪天候や気温の低下が重なると、日帰り登山の難易度は一気に高くなります。
だからこそ、私は登山前から「どうすれば最後まで体力を残せるか」を最も重要なテーマとして考えていました。
次の章では、実際に私が白馬岳を日帰りで歩いて実感した「疲れない歩き方」と、その効果について詳しく紹介します。
標高差1,700mを歩き切るための3つのポイント

標高差約1,700m、行動時間約12時間にもなる白馬岳の日帰りでは、「体力がある人」が有利なのではなく、最後まで疲れをためない歩き方ができる人が有利です。
私が実際に歩いて最も効果を感じたのは、次の3つでした。
- 登りは「会話ができるペース」で歩く
- 下りは「小股」で着地衝撃を減らす
- エネルギーと水分を切らさない
この3つを意識したことで、標高差1,700mの白馬岳を最後まで大きくペースを落とすことなく歩き切ることができました。
登りは「会話ができるペース」で歩く
6月の白馬岳は、日本最大級の白馬大雪渓だけでなく、小雪渓にも雪が残っています。
約3kmにわたる雪渓を歩きながら約1,000m標高を上げていくため、岩場が少なく歩きやすいコースとはいえ、体力は確実に消耗していきます。
そこで私が意識したのは、とにかくゆっくり登ることでした。
人間は長い距離は歩くことはできますが、早く動くことはできない生き物です。
早く動くと血液内の糖を使います。血液内の糖は貯蔵量が少ないため、すぐに枯渇してしまいます。
一方、ゆっくり動く有酸素運動は脂肪をエネルギーとするため、体内にある多くの脂肪をエネルギーに変えます。
なので、人間は早くは動けないですが、ゆっくりならばどこまでも歩くことができるのです。
「少し遅いかな」と思うくらいのペースで歩き、息が切れず、人と普通に会話ができる程度の運動強度を維持することを心掛けました。
運動強度が高くなりすぎると、エネルギー消費が急激に増え、脚の疲労も蓄積しやすくなります。
そのため、無理に前の人についていかず、自分のペースを守ることが長時間歩くためには重要です。
70代のご夫婦から学んだ「疲れない歩き方」
登山中、とても印象に残った70代と思われるご夫婦がいました。
ご主人はテンポよく先へ進み、時々「早くおいで」と声を掛けています。
一方、奥様は「はいはい」と笑顔で返事をしながら、自分のペースを崩すことなく歩いていました。
景色を楽しみ、ときには他の登山者と談笑しながら、終始落ち着いたペースを維持しています。
そして山頂に着くと、ご主人は少し疲れた様子でしたが、奥様は笑顔でおにぎりを食べながら景色を楽しんでいました。
この姿を見て改めて感じたのは、登山は速く歩くことではなく、最後まで同じペースで歩き続けることが大切だということです。
私たちもこの考えを参考にし、終始「会話ができるペース」を守って歩いた結果、山頂まで大きな疲労を感じることなく到着できました。
下山は「小股」で歩く

「登りよりも下りの方が楽」と思われがちですが、下山では太ももや膝に大きな負担がかかります。
大きな段差を勢いよく下りるほど、着地時の衝撃も大きくなります。
疲労が進むと脚で体を支えられなくなり、転倒しやすくなるため注意が必要です。
そこで意識したいのが、歩幅を小さくすることです。
小股で歩けば、一歩ごとの落差が小さくなり、着地時の衝撃を抑えられます。
トレッキングポールを適切に使えば、バランスを取りやすくなり、脚への負担軽減にもつながります。
私も下山では、小股で歩くこととトレッキングポールの使用を意識しました。
翌日には筋肉痛が出ましたが、下山中に大きく脚を痛めることなく歩き切れました。
脚力に不安がある方や長時間登山に慣れていない方は、トレッキングポールの使用を検討してみてください。
補給不足は下山終盤の失速につながる

今回の登山で最も反省したのは、補給計画です。
もともとは白馬山荘に宿泊し、山小屋で食事を取る予定だったため、持参した行動食は約2,000kcalでした。
しかし、途中で日帰りへ変更したため、長い下山に必要な行動食が不足しました。
さらに、同行者は水分摂取量も少なく、小雪渓より下では脚が震えるほど疲労していました。
エネルギー不足だけでなく、軽い脱水も影響していた可能性があります。
この経験から、白馬岳の日帰りでは次の3点が欠かせないと感じました。
- 登りで無理をしない
- 下りで脚を守る
- 水分とエネルギーを切らさない
行動食は、空腹を感じてから一度に食べるのではなく、登山開始後から少量ずつ定期的に摂取することが大切です。
羊羹、エネルギージェル、パン、ナッツ、エネルギーバーなど、疲れていても食べやすい食品を複数用意しておくと安心です。
私自身もこの経験以降は、高カロリーで軽量な行動食を、予定よりも少し多めに持参するようになりました。
特に羊羹は、軽量で持ち運びやすく、暑い時期でも比較的食べやすいため、登山の行動食として便利です。
白馬岳の日帰りで必要な水分と行動食の目安
標高差約1,700m、行動時間約12時間にもなる白馬岳の日帰りでは、補給計画が登山の成否を左右します。
必要な水分量とエネルギー量は、体重や気温、行動時間、歩く速度、荷物の重さなどによって変わります。
登山計画を立てる際の簡易的な目安として、次の計算方法があります。
必要な水分量の目安
5mL × 体重(kg)× 行動時間(時間)
例えば、体重60kgの人が10時間歩く場合は、次のようになります。
5mL × 60kg × 10時間=3,000mL
体重が60kgの方の必要な水分量は約3Lが一つの目安です。
ただし、気温が高い日や発汗量が多い場合は、さらに多くの水分が必要になることがあります。
反対に、山小屋などで水分を補給できる場合は、すべての水を登山口から背負う必要はありません。
最新の営業状況や水の販売状況を確認し、補給場所も含めて計画してください。
汗を多くかく時期は、水分だけでなく塩分や電解質も補給しましょう。
消費エネルギーの目安
5kcal × 体重(kg)× 行動時間(時間)
体重60kgの人が10時間歩く場合は、次のようになります。
5kcal × 60kg × 10時間=3,000kcal
この場合、消費エネルギーは約3,000kcalが一つの目安です。
ただし、計算された消費量のすべてを行動食として持参するという意味ではありません。
登山前の食事、体内に蓄えられたエネルギー、登山中の行動食を組み合わせて考えます。
白馬岳の日帰りでは、天候や体調によって予定より行動時間が延びる可能性もあります。
予定分の行動食に加えて、非常食も必ず用意しましょう。
白馬岳の日帰りを成功させるためのまとめ
白馬岳の日帰りは、長時間行動に慣れた中級者以上向けの山行です。
標高差約1,700mを登って下るため、山頂へ到着する体力だけでなく、最後まで安全に下山できる余力が求められます。
私が実際に歩いて重要だと感じたポイントは、次の3つです。
- 登りは会話ができる程度のペースを守る
- 下りは小股で歩き、脚への衝撃を抑える
- 水分と行動食を早めに補給する
白馬岳は、体力や経験があれば日帰りも可能です。
しかし、宿泊よりも時間的・体力的な余裕が少なくなるため、天候や体調、雪渓の状態によっては、登頂を諦めて引き返す判断も必要になります。
自信がない方は無理に日帰りを選ばず、山小屋に宿泊する1泊2日の計画を検討してください。
ここからは、私が実際に歩いた猿倉登山口から白馬岳山頂までの登山道を、区間ごとに紹介します。
※この記事の内容は、実際に白馬岳を日帰りで歩いた経験に加え、山本正嘉氏著『登山と身体の科学』を参考にしています。登山経験や体力には個人差があるため、無理のない登山計画を立て、安全を最優先に行動してください。
猿倉から登る白馬岳ルート

白馬岳は白馬村の猿倉登山口から登ります。
この辺りは、名峰がずらり。
唐松岳や五竜岳なども観る事ができます。
スキー場と登山口入口が併設している所が多く、ロープウェイで標高を上げる事ができるのが特徴かもしれません。
白馬岳のメインは雪渓です。
日本三大雪渓の一つがここ白馬岳です。他は針木岳と剱岳にある雪渓です。
白馬池尻から白馬頂上宿舎までほぼ雪渓です。
夏になれば小雪渓や白馬池尻の雪が溶けて夏道がでますが、6月中旬はほぼ雪です。
6月になっても雪山を楽しめ、山頂近くでは高山植物が咲き、季節の移り変わりを堪能できる山なので登る価値はあります。
標高差1700mを約7kmかけて登ります。
樹林帯は白馬池尻までです。なので、稜線に行く前から眺望が素晴らしく、登山者を楽しませてくれる素晴らしい山です。
基本的に危ない箇所は少ないです。
ただ、谷底を歩くため落石の危険性、谷から稜線へ登るため滑落のリスクなどがあります。
それをここでイメージができると幸いです。
では、これから登山道について説明します。

猿倉登山口から白馬池尻まで

今回の山行は休憩を含めて12時間です。
逆算して下山時刻を考えると、遅くても17時には下山していたい。
できれば、16時は下山していたいと思いました。
なので、猿倉登山口の無料駐車場に深夜2時に到着しました。
夜空には満天の星空で天の河を観る事が出来ました。

これを山の上で観たかったのですが、天気とタイミングが合わず残念です。
朝4時には登山開始していきたいと思っています。
なので、少し休憩です。
車をシエンタに変えてから車中泊が快適です。
床の凸凹が少ないので、布団を一枚敷いたら快眠です。
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さて、朝になりました。登山開始です。

猿倉登山口の駐車場にはトイレがないので、猿倉荘のトイレをお借りします。
ごく普通のトイレです。
以降、白馬頂上宿舎までトイレはありません。
ここでしっかり用を足しておきましょう。
登山口は山荘の横にあります。

登山口から少し登りがありますが、歩きやすい道です。
始まって5分も経たないので余裕です。

約10分後、車道のようなフラットな道にでます。
ここからしばらく車道を歩くのでとてもいいアップになります。

夏に向けて木々の緑が濃くなっています。
新緑もいいですが、夏の緑も元気をもらえていいですね。
ふと、上を向くと遠く彼方に白馬岳が見えます。

「あんなに遠くへ行かなくてはならないのか」と絶望します。
しかし、意外にもあっという間に到着するので安心してください。
そう。本当にあっという間です。
雪渓もあれば、徒渉もあれば、高山植物もあれば、絶景もあり。
観る景色も注意する事も多いので、飽きずに上まで登れるからだと思います。
進むといつの間にか白馬岳が見えなくなりました。
そのタイミングで登りが始まります。

登山道はよく整備されているため、登りやすいです。
ただ、木道なのでとても滑りやすいです。
朝露で濡れていたら注意しましょう。

登山口から1時間弱で開けた場所に到着しました。
この川を乗り越えるのが一苦労です。

渡った先が雪なので、踏ん張りがききません。
つるっと滑りそうな所をなんとかこらえて登ります。
こういう場面でもトレッキングポールは便利だなと感じます。
今回は水量が少なかったので、渡れましたが、水量が多かったら靴が濡れた可能性があります。
履き替えの靴下は用意した方がいいでしょう。
いつ、川の上の雪が崩れるのかとヒヤヒヤしながら、登ります。
また、雪が太陽の熱で少しずつ溶けているので、つるっと滑りそうです。

アイゼンは不要ですが、慎重に歩いた方が良いでしょう。
素行こうしているうちに白馬池尻に到着です。

「ようこそ大雪渓へ」という看板はまだ雪の中です。
かろうじて見えている白馬池尻避難小屋の屋根付近で休憩兼アイゼン装着の準備をします。
白馬池尻から大雪渓まで

白馬池尻からいよいよ白馬岳のメインストリートである雪渓を歩いて行きます。
6月中旬はもう雪渓というか雪原です。
夏道はまだ雪の中です。
見渡す限り雪と夏に向けて準備を始めている山肌しかありません。
雪質はざら雪ですが、踏み固められているので時に安心して歩く事ができます。

遠見尾根の時はズボ雪で歩くのが大変でしたが、ここは長年の蓄積によるのかそういう雪ではありませんでした。
しかし、クレバスはあります。
先日、クレバスに落ちて頭を負傷し撤退した人もいたそうです。
なので、ピンクテープに沿って歩いていきましょう。

また、ここは谷なので稜線から降り注ぐ風が強いです。
ときおり、風速10s/hぐらいの風が突然吹きます。
その影響で山肌の岩は削られ落石してきます。

登山中も「ガラガラ」と音を立てて石がなんども落ちてきました。
だいたい、登山道までは来ませんが、このようにどでかい岩も落ちてきます。
人の高さほどあり、驚きました。

また、先日大規模な崩落がありあわや登山道が飲み込まれるところでした。

人と比べると大規模さがわかると思います。
このように日常茶飯事に落石が起きているので、ヘルメットを持参する事をおすすめします。
雪により音が吸収され、気付いたときに目の前に岩が来ている事も多いそうです。
山荘の方々は今までの経験を元に、最も安全な道にラインを敷いてくれています。
色々な道を歩いてみたくなる気持ちはわかりますが、安全面からそれは止めておきましょう。
さて、落石の恐怖と戦いながらなんとか登ってきました。
振り返ると、今までの頑張りが報われます。

上を見上げると、雪渓を登っている人を確認できます。
この時期は小雪渓と大雪渓が合体しているため、小雪渓まで一気に登る事ができるようでうが、滑落事故も多いそうです。
アイゼンを脱ぐ手間と滑落のリスク、どちらを取るかはその人の登山スキルによると思います。

私達も雪渓を歩こうかと話していましたが、やはり近づけば近づくほど斜度の高さに驚きます。
そんな時に山荘の方に出会い、ここの雪渓ではなく夏道を歩いた方が良いとアドバイスを頂いたので、夏道を進む事にしました。

このように夏道の手前に矢印がありますので、こちらを進みます。

やっと大雪渓が終り、普通の登山道を歩くことができます。
いったん、アイゼンをしまいましょう。
大雪渓から小雪渓まで

大雪渓が終り小雪渓まで夏道を歩きます。

雪渓も楽しめ、岩場道も楽しめるのでいい山です。
約30分、この道を歩いて行きます。
この道は雪渓の白に、夏に向けて濃くなる緑、雲のコントラストがある青空、高山植物の黄色のお花畑と季節が融合した風景を見ることができます。

今までは雪渓の白が多く、雪山だと思っていましたが、ここに来ると季節が変わりました。
うん。
いいですね。このような景色がある事を知れて嬉しいです。
さて、この夏道をつづら折りに登って行きます。
ここの写真の辺りで登山口から約1000m登りました。登山開始から約4時間経過していました。
やはりあっという間ですね。

花を愛でつつ、後ろを振り返り自分達の頑張りに誇りを感じながら登るとあっという間に小雪渓へ到着します。
この辺りが小雪渓への取り付きです。
アイゼンを再び装着します。

この辺りは浮き石もあるので気を付けて登りましょう。
小雪渓から山頂まで

アイゼンを装着したら、小雪渓を直登します。
小雪渓は大雪渓と比べると斜度がきついです。
上を見上げても先が見えない程の斜度です。
アイゼンを履いてピッケルまたはトレッキングポールを持っていれば、滑落停止はできると思います。
再び上を見ると雪切り道を作って下さる山荘の方の姿がありました。
とりあえずあそこまで行けばその先が見えそうです。頑張って登ります。

ようやく乗り越えると少し遠くに白馬頂上宿舎を捉えました。

まだ大分先ですが、目標が見えると嬉しいですね。
この先は雪渓と夏道に分かれています。
雪渓、雪道でも登る事はできますが、やはり雪道を歩くのは緊張します。
少しでも緊張から解放されるために、私達は夏道から進む事にしました。
このまま雪道を進む道と右の夏道へ合流する二パターンで登れます。

アイゼンを脱ぎ、夏道に上陸しました。
この道も緑と岩と花と気持ちのいい道が続いています。

ただ、進むと雪道に合流してしまいました。
どうやら3箇所ほど雪のトラバースがあるそうです。
アイゼンを履くほどではないので、このままアイゼンを着けずに登ります。
トラバース道に合流するためにキックステップで登ります。

そこから一つ目のトラバース道を渡ります。

次に二つ目のトラバースを渡ります。

ここから岩場登りが始まります。
今までの道よりも険しく大きく足を上げないと登れない岩もありました。
色々な道を経験できていいですね。

岩場を乗り越えると最後の雪道トラバースを渡ります。
これ以降雪渓はありません。
なので、安心して歩けます。

最後の雪道を歩ききると、様々な花たちが私達を出迎えてくれました。
さすが、花の百名山。
花の種類も数も多いですね。

山の夏は短いです。
その短い期間に合わせて花を咲かせる高山植物に儚さを感じます。
だからこそ、このように咲き乱れている姿に心が動かされるのでしょうか。
小さいのに、下界の大きな花に負けない美しさがありました。
時刻は10時半です。山頂に12時着がタイムリミットなので余裕で到着できます。
早く稜線に出たいので、白馬頂上宿舎には寄らずに白馬山荘を目指します。
白馬頂上宿舎から少し登るとすぐ稜線です。
稜線からは白馬三山である杓子岳、白馬鑓ヶ岳、そして唐松岳や五竜岳へ続く稜線が伸びています。
奥には槍ヶ岳や他の北アルプスの名峰がずらっと並んでいます。

遮る物がなくこの絶景を観られるのは登った者だけのご褒美でしょう。
北アルプスの底力を感じる事ができました。
一方、白馬岳の方面を観るとまるで絵画のような景色が広がっています。

奥には猛々しい白馬岳が聳え立ち、それを守るかのように白馬山荘がたっています。
城下町にでもいるかのような、これからお城に登る旅人のような、そんな気持ちになりました。
また、誰もいない山頂へ続く道を歩くが何よりも気持ちが良かったです。
北アルプスは目の前の景色も良し、振り返った景色も良しで先に進めません。
嬉しい悲鳴です。
白馬山荘に到着しました。

ここで休憩をさせて頂きます。
ここから北アルプスの夕景や朝焼けを観る予定だったのに残念です。
さぞ絶景でしょう。
白馬山荘に宿泊予定の方はこちらのHPをご覧下さい。
ウェブ予約もできて便利です。
白馬山荘から約15分で山頂です。
あと少しと腰を上げますが、中々ギアがあがりません。
休憩後はなんだかギアが入るまで時間がかかるのは何故でしょうか。
つづら折りの道で楽なはずなのに、ペースがあがりません。

ザレ場という事もあるのでしょうか。
ひーひー言いながらもなんとか山頂に到着しました。

約7時間で山頂に到着しました。
無事に到着できてよかったです。一時は登頂も諦めましたが、頑張ってよかったです。
さて、山頂から少し山荘寄りに言った場所に3槍が観られるPOINTがあります。
3槍とは白馬鑓ヶ岳、鹿島槍、槍ヶ岳の事です。
その3槍が揃った写真がこちらです。

どこまでも続く稜線が登山欲を更にかき立ててくれます。
いつか、白馬三山やそれよりも先に歩いて行ってみたい。
その道のりが険しくてもとても良い経験になるのだろうと思います。
それには体力とUL化が必要なので、少しずつ準備を進めます。
さて、観たい景色も観たし帰りましょう。
恐怖の下山

白馬頂上宿舎まで降りてきてきました。
そこで問題が発生しました。
行動食が底をつきそうです。
それもそのはずで、本来は山小屋でご飯を食べて下山しようと考えていました。
しかし、食べていたら下山時刻が遅くなるため寄らずに変える事にしました。
山小屋に寄らない場合の行動食を準備していませんでした。
今は疲労感はありつつ、意識はしっかりしており、身体が動かない事はありません。
とりあえず、下山しないと食べ物もないので降りる事にしました。
小雪渓あたりまで降りてきました。
ここの斜度は急なので、踏ん張るために足の筋肉を酷使してしまいます。

相方はこの辺りから「足が疲れた」と言い始めました。
雪切り道を歩いて夏道に行くようにアドバイスを貰いました。

雪切り道を渡りましたが、その先の夏道がわかりません。
私達が登ってきた夏道は遙か下にありますが、そこまでの道がありません。

道もわからないので、ピンクテープがある夏道まで下ることにしました。
アイゼンを履かずにキックステップで足場を作りながら下りました。
無事に夏道に上陸しました。
この下りでかなりダメージが足にかかり、少しつま先を上げただけで足がぷるぷるしました。
やばいなと思っていた矢先に相方が岩場に足をひっかけ転倒しました。
あわや、下まで転落するところでしたが、なんとか止まりました。
怪我も軽傷ですみ、自力下山は可能でした。
疲労による転倒でしょう。
要因はハイスピードの下山、キックステップの下り、エネルギーと水分不足と推測します。
とりあえず、休憩を挟み残っている行動食と水分を食べるように促します。
ペースも落とし、ゆっくり降りる事にしました。
今は13時です。今は大雪渓手前なので17時は下山完了すると見込まれるので、安全に降りる事を心がけました。
声かけをしながらなんとか無事に白馬池尻まで下山できました。

本来は宿泊が適当な行程です。
疲労が出ても当然です。しかし、もう少しペースとエネルギー補給を適切に行えば疲労度は軽減できたと思います。
課題が残る山行ではありましたが、大満足な山行でした。
翌日は二人仲良く筋肉痛になりました。
駐車場と温泉
猿倉登山口の無料駐車場があります。
駐車場料金は無料で、約60台ぐらい駐める事ができます。
トイレはありません。
トイレは猿倉荘、白馬頂上宿舎、白馬山荘にしかありません。
途中の避難小屋にもありませんので、トイレ管理は適切に行いましょう。
12時間歩いた後に帰宅する元気はないので、白馬村に宿泊しました。
宿泊した宿は「上屋敷」さんです。
温泉はありませんが、アットホームでまるで田舎のおばあちゃんちに来たかのような安堵感があります。
全て畳の部屋なのでごろ寝ができて、疲れた身体にはとてもよかったです。
縁側のお部屋だったので、窓を開けでぼーっとして過ごしました。
まとめ
白馬岳の日帰りは疲れます。
できれば、宿泊をお薦めしますが、天候の関係などで日帰りを余儀なくされることもあります。
その場合、できる限り安全に下山するために、「ゆっくり登る」「小さく降りる」を意識するだけで疲労を抑える事ができます。
また、行動食や水分を1時間に1回の休憩時に補給するとよいでしょう。
登山は無事に下山してこそ登山です。
怪我をしたら楽しい思い出が台無しになります。
これからも安全登山で山を楽しみましょう。


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