登山初心者が最初に揃えるべき10のギア【価格帯別】|命を守る優先順位で解説

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「登山を始めたいけど、何から揃えればいいのかわからない」

登山用品店に足を踏み入れると、あまりの種類の多さに圧倒されますよね。専門用語の呪文のような響きと、目玉が飛び出るような価格に、後ずさりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

でも、安心してください。**最初から全部を揃える必要はありません。**ただし、命に関わるアイテムだけは絶対に妥協してはいけない。この線引きが、初心者にとって一番難しいポイントです。

この記事では、月3回登山し、丹沢・八ヶ岳・北アルプスから残雪期・冬山まで経験してきた視点から、「最初に揃えてほしい10のギア」を、命を守る優先順位順にお伝えします。

この記事でわかること

  • 絶対に妥協してはいけない3つのギア
  • できれば早めに揃えたい4つのギア
  • 節約してもいいけれど、あると快適になる3つのギア
  • 各ギアの選び方と、価格帯ごとのおすすめ

【注意】 紹介する優先順位や商品は、あくまで私個人の経験に基づくものです。登るエリアやシーズン、体力によって必要なギアは変わります。不安な場合は、登山用品店のスタッフに相談しながら選ぶことをおすすめします。

予算・優先度から探す|早見表

優先度アイテム予算の目安
最優先登山靴15,000〜30,000円台
最優先レインウェア(上下セット)15,000〜30,000円台
最優先ザック(日帰り〜1泊用)10,000〜20,000円台
中優先ベースレイヤー(速乾インナー)3,000〜6,000円台
中優先ヘッドライト2,000〜5,000円台
中優先地図・登山地図アプリ0〜3,000円台
中優先行動食・給水ボトル1,000〜3,000円台
節約可トレッキングポール3,000〜8,000円台
節約可防寒着(フリース・薄手ダウン)5,000〜15,000円台
節約可ファーストエイドキット2,000〜4,000円台

※価格は目安です。購入前に各リンク先で最新価格をご確認ください。


【最優先】妥協してはいけない3つのギア

まずは、ここだけは絶対にお金をかけてほしい3つです。この3つを疎かにすると、命に関わります。

登山靴(ミドルカット推奨)

💰 予算の目安:15,000〜30,000円台

普通のスニーカーで登山する方を見かけますが、これは本当に危険です。山の道は岩・木の根・ぬかるみ・小石だらけで、スニーカーでは滑る・疲れる・足首を捻る、のオンパレードです。

選び方のポイントは「登る山のレベルに合わせる」ことです。高尾山レベルの低山ならローカットでも問題ありませんが、八ヶ岳や北アルプスを目指すならミドルカット以上が基本です。

ローカットは足首を固定するために、かなりの筋肉を使います。一方、ミッドカット・ハイカットは足首が固定されているので、余計な筋肉を使いません。

そのため、筋力・体力に自信がない方はハイカットの登山靴を購入することをお勧めします。

必ず厚手の登山用靴下を履いた状態で店頭で試し履きをしてください。サイズ感は普段のスニーカーとまったく違います。

初めての一足は、日本人の足型に合いやすくコスパも良好なモデルから選ぶと失敗が少ないです。

日本人の足にあう靴はモンベルや石井スポーツが出しているAKUです。

その際、靴下を忘れずにしてください。実際の靴下を履いて登山靴を試さないと、本当に自分の足に合っているかわかりません。

汗冷えをしにくい靴下は「スマートウール」です。厚手、中厚手、薄手と3種類あります。夏は薄手、秋は中厚手、冬は厚手を履くと良いと思います。

中厚手でもキツくないサイズを選ぶと快適に登ることができます。

ぜひ、こちらを持って店頭に試し履きをしに行ってください。

レインウェア(上下セット)

💰 予算の目安:15,000〜30,000円台

「登山用の雨具なんて、100均のカッパで十分では?」と思うかもしれません。

ですが、山の雨は下界の雨とはまったくの別物です。標高が上がるほど気温は下がり、風も強まります。濡れた身体が風にさらされると、夏でも低体温症のリスクがあります。

登山用レインウェアが優れているのは、防水性だけでなく「透湿性」があることです。

汗の水蒸気を外に逃がしながら、雨は通さない。この機能がないと、内側が汗でびしょ濡れになり、結局体温を奪われてしまいます。

上下セパレートタイプを選び、必ず自分のサイズに合ったものを試着してから購入してください。ザックを背負った状態でも動きやすいか、店頭で腕を上げ下げして確認するのがおすすめです。

最初に買うのにおすすめはモンベルです。

モンベルのレインウェアはコスパがいいです。デザイン性や防水性・透湿性は並ですが、安いです。とりあえずのレインウェアにはぴったりです。

もし、汗っかきの方はミレーがお勧めです。どこのブランドよりも透湿性が高いです。

ザック(日帰り〜1泊用)

💰 予算の目安:10,000〜20,000円台

普段使いのリュックで登山する方もいますが、登山用ザックには「身体にフィットさせる」ための機能が詰まっています。

ウエストベルト、チェストストラップ、背面長の調整機能など、これらがあるかないかで、疲労度がまったく変わります。

日帰り登山なら20〜30L、山小屋1泊なら30〜40Lが目安です。

ここで大事なのは「一度背負ってみること」。オンラインで買う前に、できれば店頭で実際に背負い、スタッフに背面長を調整してもらうことを強くおすすめします。

身体に合わないザックは、どれだけ高性能でも快適に歩けません。

ULが流行り、軽量ザックも増えています。

しかし、私は軽量ザックのデメリットを懸念しています。

軽量ということは、機能を必要最低限に削っているということです。腰ベルト、背面フレーム、ショルダーストラップが貧相になり、それに伴い身体の痛みが出てきます。

軽量よりも自分の身体にあうザックを選ぶことを強く推奨します。

私のおすすめのザックは「オスプレー」です。

日帰りならば20L程度、小屋泊ならば35Lぐらいを選ぶといいでしょう。

その理由は下記のブログで記載していますので、参考にしてください。

ザックがフィットしない危険性とオスプレーをオススメする理由
ザックを変えることで、今よりも楽に登山ができる可能性があります。登山後にこんな事を経験した事はありませんか。「腰が痛いな」「肩がこったな」「なんだか疲れたな」という身体の至る所の悲鳴。確かに、登山は身体全身を使いながら、山を登り、下ります。…

【中優先】できれば早めに揃えたい4つのギア

最優先の3つほど致命的ではありませんが、揃えておくと安全性と快適性が大きく上がるアイテムです。

ベースレイヤー(速乾インナー)

💰 予算の目安:3,000〜6,000円台

綿(コットン)のTシャツで登山すると、汗を吸ったまま乾かず、身体が冷えて低体温症のリスクが高まります。登山では「汗冷え」が体力を奪う最大の敵の一つです。

一方で、綿は本当に乾きません。

私も登山を始めた頃、ベースレイヤーの知識がなく、痛い目を見ました。

ポリエステルやメリノウール素材の速乾インナーに替えるだけで、快適さが劇的に変わります。特にメリノウールは、濡れても保温性が落ちにくく、においも出にくいので、縦走や連泊にも向いています。

私のおすすめのブランドは「アイスブレーカー」です。

メリノウール100%ですが、肌に優しく肌触りがいいです。

なので、いつまでも着続けることができます。

汗をかいてもすぐ乾き、汗が乾いた後の嫌な匂いもしません。

1万円しますが、コスパはいい商品です。

ベースレイヤー以外にもミドルレイヤーなど様々な用途の登山服があります。

こちらのブログを参考にして選んでください。

登山の寒さ対策|おすすめの保温着とレイヤリングのコツを徹底解説
保温着の種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない。ダウンや化繊綿、最近では「アクティブインシュレーションウェア」なんて言葉まで登場し、もう何が何やら…。「登山ではレイヤリングが大切。特に秋冬は重要」と耳にするものの、レイヤリング自体が…

ヘッドライト

💰 予算の目安:2,000〜5,000円台

「日帰り登山だから懐中電灯は不要」と思っていませんか?

実は、日帰り登山者の遭難原因で多いのが「予定より下山が遅れて日没を迎えてしまう」パターンです。

夏至は18時でも明るいですが、冬至になれば16時でも薄暗くなります。

ヘッドライトは両手が自由になるので、下山中の岩場やハシゴでも安全に使えます。

日帰り登山でも、必ずザックに入れておくべき保険のようなアイテムです。防水性能と、明るさ(ルーメン数)を確認して選びましょう。

おすすめは「ペツル」です。

明るさ、持続性、値段においてコスパがいいです。

モンベルもいいですが、300ルーメンが多く明るさに物足りなさを感じます。

夜間登山をする場合、350以上が必要です。

ぺツルは操作性と明るさ、値段、耐久性からモンベルよりも軍配が上がります。

ヘッドライトは買い換えることが少ないので、買うならコスパのいい商品を最初から買いましょう。

地図・登山地図アプリ

💰 予算の目安:0〜3,000円台

スマートフォンの地図アプリだけに頼るのは危険です。山では電波が入らないことが多く、バッテリー切れのリスクもあります。

オフラインでも使える登山専用地図アプリ(あらかじめルートをダウンロードしておけるタイプ)を入れておくと安心です。

紙の地図も、電子機器が使えなくなった時の保険として持っておくことをおすすめします。道迷いは登山事故の原因の中でも特に多いものです。

登山アプリだとYAMAPや山レコが有名です。

YAMAPは幅広い経験年数の方が使用されており、山レコは玄人の方が使用されている印象があります。

行動食・給水ボトル

💰 予算の目安:1,000〜3,000円台

登山中はカロリーと水分の消費が想像以上に激しいです。「シャリバテ」と呼ばれる、エネルギー切れによる急激な体力低下は、初心者が陥りやすい失敗の一つです。

ゆっくり歩くと体内に貯蔵されている脂肪をエネルギーとして使われますが、最初からペースを上げると糖を使われます。

身体内にある糖は限られているので、すぐに枯渇してしまいます。

これがシャリバテの理由です。

行動食は登山開始1時間後ぐらいから食べ始めると良いです。

具体的にチョコレートやナッツ、羊羹など、片手で食べやすく高カロリーなものを準備しましょう。

一番いいのは、疲れていても喉を通る自分が好きなものです。

私は夏はウィンダインゼリー、秋冬はあんぱんにしています。

ペットボトルでもいいのですが、ゴミ削減目的やいつでも給水できる利点から給水ボトルが良いでしょう。ナルゲンが使いやすく、耐久性も高いです。

疲れない登山歩きの秘訣をこのブログで伝えていますので、参考にしてください。

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【節約可】あると快適になる3つのギア

最初は無理に揃えなくても大丈夫。でも、余裕があれば持っておくと登山がぐっと楽になるアイテムです。

⑧トレッキングポール

💰 予算の目安:3,000〜8,000円台

膝や太ももへの負担を大きく軽減してくれるアイテムです。

特に下り坂での膝への衝撃を分散してくれるので、翌日の筋肉痛が驚くほど違います。

最初の数回はレンタルで試してみて、必要性を実感してから購入するのもおすすめです。

私も冬登山靴やテントなどはレンタルをして、使用感を確かめてから購入を決めました。

高い買い物だからこそ、使い続けられるかを確かめたいものです。

トレッキングポールだけではなく、登山靴やテントなども一度レンタルしてから最終判断をしてもいいと思います。

私がいつもお世話になっているレンタル屋さんのサイトを載せておきますので、除いてみてください。

また、トレッキングポールの利便性について説明している記事はこちらです。参考にしてください。

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防寒着(フリース・薄手ダウン)

💰 予算の目安:5,000〜15,000円台

防寒着は秋冬だけ必要なわけではありません。

山頂や休憩中は、身体を動かしていないぶん急激に冷えます。標高が上がるほど気温は下がるため、下界が真夏でも山頂では肌寒く感じることが珍しくありません。

コンパクトに収納できる薄手のダウンやフリースを1枚ザックに入れておくと安心です。

私のおすすめのダウンはパタゴニアのダウンセーターです。

軽いのに、暖かい。着心地もよく布団に包まれているそんな気分にさせてくれます。

ただし、海外ブランドのダウンは高いです。最初はモンベルのダウンを購入し、秋冬も登山を続けるようならばパタゴニアなど本格的なダウンを購入してもいいかもですね。

そのほかにも多くのブランドのダウンがあります。ほかにどのようなダウンがあるのか知りたい場合はこちらのブログを参考にしてください。

雪山登山の必携ダウン!6大ブランド徹底比較、最強コスパはこれだ。
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ファーストエイドキット

💰 予算の目安:2,000〜4,000円台

絆創膏、テーピング、消毒液、常備薬など、最低限の応急処置セットです。

優先度としては本来もっと高いのですが、「軽視されがち」という意味であえて最後に入れました。

捻挫やマメ、擦り傷は登山では日常的に起こります。市販のセットを1つ買っておくだけで、いざという時の安心感がまったく違います。

余っているポーチに収納すればそれで問題ありません。


まとめ

登山ギアは、全部を一度に揃える必要はありません。

まずは「登山靴」「レインウェア」「ザック」の3つ、命を守るための投資だと思って優先してください。

それ以外は、実際に登りながら少しずつ買い足していくくらいでちょうどいいです。

道具に振り回されるのではなく、道具に助けてもらいながら、安全に、長く登山を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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